データの扱いは課題
課題もある。森下氏は、「技術面では、異なる組織間でデータの受け渡しをする際の方式が確立していない場合がある」と話す。
一方で、運用面では「医療データを外に出すことへの抵抗感を持つ人の存在、患者の目の前でデータ取得の同意を得なくてはいけない場合があること」(森下氏)を挙げた。
日立の情報・通信システム社、スマート情報システム統括本部 統括本部長の柴原節男氏は「ヘルスケア事業は日立の注力分野の一つとして、国内外での事業を加速化させるため推進している」とコメントを寄せた。これ以外でも、予防・介護を含む医療アプリケーション開発やクラウドサービスなどを含むさまざまな形態のビジネスに発展させ、日本を含むグローバルの医療分野でITを活用したビジネスを拡大していくとしている。
インターシステムズジャパン社長の植松裕史氏は、日立との提携について「業績へのインパクトはかなり大きい」と話す。従来は病院単位だった対象顧客が、ネットワークでつながった複数の機関になる――点から面になることの効果を発揮するためだ。
「社会における医療ニーズのパラダイムシフトを自らけん引できるという意味でやりがいを感じている」と植松氏は話している。