ライムライト・ネットワークス・ジャパン(ライムライト)は11月14日、コンテンツ配信網(CDN)の高速化サービス群の新版「Limelight Orchestrate V2.5」(Orchestrate)を発表した。
Orchestrateはウェブや動画を安定して配信するためのサービス群。同社は世界20拠点でサービスを展開しており世界中に高速でコンテンツを配信することができるという。
今回のバージョンアップでは、CDNサービス「Orchestrate Content Delivery」のキャッシング設定機能を向上させた。サイト訪問者の待ち時間を短縮できるという。
配信制御など、帯域を管理する「Orchestrate Performance」では、通信拠点間における機能を最適化。エンドユーザーへの動的ウェブコンテンツの配信スピードは、同機能を実装していないCDNと比較し最大8倍、40~65%高速化が可能とした。
機能を拡張して、待ち時間と特定ブラウザでのページのロード時間を短縮できるとした。最も効率的な配信ルートを検出し、コンテンツがある場所からエンドユーザーまでの通信回数と各リクエストサイズを削減できるという。
動画配信を最適化するサービス「Orchestrate Video」に搭載したZero-Time-to-Publish(ZTP)機能ではAPIを経由してアップロードして、ファイルのアップロード直後のプレイバックを可能にする。速報や発表などを即座に配信可能と説明した。
Orchestrate V2.5はブラウザレベルではHTMLの読込速度を早め、さらにネットワークやプロトコルを最適化させたという。ウェブサイトの性能を最大8倍向上させ、サイト訪問者の待ち時間を88%短縮短縮させられるとアピールした。
Limelight Networks CEO Robert Lento氏
発表会見で米本社Limelight Networksの最高経営責任者(CEO)Robert Lento氏は「われわれは250万台以上サーバ処理能力、30Pバイト以上のクラウドストレージ、さらに世界全体の配信能力50tbpsのうち、10tbpsを保有している」と同社が持つネットワークの優位性をアピールした。
Lento氏は現在、ウェブサイトがリッチになりつつあり、サイトへの総転送サイズが1年足らずで28%以上拡大していると現状を説明。スマートフォンやノートPCなどさまざまなデバイスからウェブが見られるようになり、いつサイトにアクセスが急増するか分からず、非常に不安定であるとした。
ライムライト ジャパン カントリーマネージャー 田所隆幸氏
そしてLento氏はウェブの読込時間は2013年夏で7.72秒と1年前からで13.8%遅くなっているなどのデータを示した。このデータとともに、読込時間が0.1秒増えると売り上げが1%減少し、0.5秒ではトラフィックが20%遅れるなどAmazonの例を紹介。解決策としてのOrchestrateを紹介した。
Lento氏は2013年度にサーバに450万ドルを投資、2Tbps以上の容量強化など、サービス増強に意欲的であることを示した。
日本における事業戦略に関して、ライムライトのカントリーマネージャー田所隆幸氏はコンテンツを届けるメディア事業者だけでなく、大企業からの引き合いが強まっており、ビジネスを拡大する予定とした。