アカマイ・テクノロジーズは3月13日、2013年戦略発表会を開催。社長の徳永信二氏は「2020年に全世界で50億ドルの売り上げを目指す」と語った。
同社はコンテンツ配信網(CDN)を中核にトラフィック管理サービス事業で知られるが近年、セキュリティ対策機能も提供している。今後は“Protect & Perform”を主題にセキュリティをいっそう重点化する姿勢を明らかににした。
「2016年には、インターネットのトラフィックが月間9万ペタバイトに達すると予測されている。今のプラットフォームでは、それだけの規模のトラフィックを支えきれない。当社は、その時々のピーク時のトラフィックの2倍を超えるキャパシティを備えることにしており、2016年のトラフィックも担えるよう、企業努力していきたい」
徳永氏はこのように述べ、ネットの成長とともに同社の業績も拡大するとの見通しだ。同社の売上高は2012年、13億7000万ドルであり「50億ドルはかなり大きな数値」だが、徳永氏は達成に自信を示す。
2015年にはネットトラフィックの90%がビデオ(Cisco Systems予測)となり、2020年にはネットユーザーは平均で1人10台の端末を所有(Akamai Technologies予測)し、すべてのデータの3分の1はクラウド上に存在(Cisco予測)するようになる。
現在は毎日、2.5エクサバイトのデータが生まれている(IAB調べ)。徳永氏はこれらの数値とともに「サイバー攻撃による、企業の被害額は1分で10万ドルにまで上る」(McAfee予測)と述べ、ネットが伸長し続けるなか、同時に脅威の方も強まる一方であることを強調している。「Protect & Perform。最初にProtectがある。Protectなしには、ウェブを取り巻く、さまざまな展開をサポートすることはできない。Protectを確立した上でPerformを追及する」と話す。
Protect & Performは、セキュリティを確保する「KONA」、ウェブを担う「AQUA」、エンタープライズ向けの「TERRA」、メディア用の「SOLA」などのシステムが基盤となる。徳永氏は「当社はパフォーマンス向上のためにセキュリティを犠牲にしない。セキュリティ向上のためにパフォーマンスを犠牲にしない。常にこれらを両立させる。この原則をグローバルで徹底的に推進する」としており、セキュリティ強化策に力点を置く意向を明確にした。
国内市場では「メディア・エンターテイメント、コマース向けに付加価値を提供するとともに、エンタープライズ(金融、製造、ハイテク、官公庁)向けに革新をもたらし、セキュリティを高め、信頼性を確立する」(同)方針だ。
徳永氏は「ウェブアプリケーションの運用の仕方を革新していきたい。金融や製造、ハイテク、官公庁のシステムは、いわばファイアウォール内で動いている。ここにプライベートあるいはハイブリッドのクラウド利用を促し、この領域を積極的に攻める。そのため、パートナー作りなどを、この1年で時間をかけて取り組む」と述べた。