「Windows XP」が2001年に発売されると、このOSは企業に広く受け入れられ、MicrosoftのOSとしてはかなり人気の高いものとなった。そして、それは今でも変わらない。「XP」は「エクスペリエンス」から来ているとされており、優れたユーザー体験を意味している。企業やその従業員は、これまで10年以上もの間そのユーザー体験に頼ってきた。
それから12年経過し、その後Microsoftは3つのOSを世に出したが、XPは市場シェアの約31%(Net Market Share調べ)を占めており、これは5億台のPCに相当する。しかし、2014年4月8日、その5億台のPCは手荒い形で現実を思い知らされることになる。Microsoftが現在のXPのライフサイクル計画を変更しない限り、延長されてきたXPのサポートは終了し、それらのPCを使っている企業は、移行するかセキュリティ上の重大な脆弱性にさらされるかの選択を迫られる。
こうした企業はこの劇的な変化に対処するための解決策を見つけるのに苦慮しており、その多くは期限までに新しいOSに移行することができないだろう。実際Gartnerは、サポートが終了する2014年4月時点で、中~大規模企業の15%以上が、少なくとも保有するPCの10%でWindows XPを動かしていると予想している。これによって、企業はセキュリティ上の無数の脅威にさらされることになる。ハッカーは多くの組織が依然としてXPのデバイスに頼っているのを狙って、積極的にXPの脆弱性を悪用して、ウイルスをばらまき、秘密情報にアクセスしようとしている。
Windows XPが残り続ける理由
問題は、なぜ多くの組織が、それほど新しいOSにアップグレードするのをためらっているのかということだ。これは、XPのインターフェースが使いやすいからでも、アップグレードのコストが高いからでもない。XPがリリースされた際、企業はこの新しい革新的なOSをできるだけ活用しようと、カスタムアプリケーションを作り始め、このOSに相当なエネルギーを注ぎ込んだ。これらのXP用に作られたカスタムメイドのアプリケーションの多くは、依然として必要不可欠なプロジェクトで使われている。そして、これらは「Windows 7」や「Windows 8」に対応していない。それらの組織は、必要不可欠なアプリケーションと、安定した、安全なOSのどちらかを選ぶ必要に迫られている。