野村総合研究所(NRI)は11月27日、2018年度までのゲームや電子書籍、BS放送などを含めた「コンテンツ市場」について動向分析と規模の予測を発表した。ソーシャルゲーム市場は拡大する一方、既存のゲーム機やソフト市場は縮小する。電子書籍市場は拡大するがプラットフォーム、端末などの差別化が課題となりそうだ。
2013~2018年度(もしくは年)の間の年平均成長率を表す
スマートフォン上の代表的な課金型コンテンツであるソーシャルゲームの市場規模は、2013年が6099億円、2014年が6535億円、2018年が8328億円と、年平均成長率6.4%で拡大すると予測する。従来のゲーム事業者は、ソニー・コンピュータエンタテインメント(SCE)の「Play Station」や任天堂の「ニンテンドー DS」といった専用端末で培ったノウハウや経営資源を、スマートフォンにシフトしてきていると指摘する。
一方、ゲーム専用端末市場は、SCEの 「PlayStation4」など次世代機の登場により、一時的に市場の活性化が期待されるが、2013年は2504億円、2014年は2103億円、2018年は1252億円、CAGRマイナス12.9%と中長期的には市場規模が縮小するとした。
新聞や雑誌を含めた電子書籍の市場規模は、2013年度の1729億円から、2014年は2278億円、2018年は4995億円と約5000億円まで拡大すると予測。一方で、 スマートフォンやタブレット端末の世界で主役であるアップル、アマゾン、グーグル、マイクロソフトなどのグローバル企業の日本市場への参入が進むと説明した。
ユーザーは選択の幅が広がる一方、コンテンツ事業者はどの端末やプラットフォームを選択するか、どのようなサービスによって競合他社との差別化を図り、顧客を獲得するかといった課題に悩まされることになるという。