アドビシステムズは1月15日に、テクニカルライターや、ヘルプやポリシーなどの文書作成者、教育用資料のデザイナーなどを対象にした編集ツールの最新版「Adobe Technical Communication Suite 5」を発表した。
最新版では、XML/DITA(Darwin Information Typing Architecture)の編集機能や文書型定義(DTD、Document Type Definition)をサポート。規格に準拠したテクニカルコンテンツを効率的に作成できるという。ワンクリックでHTML5、電子書籍、ネイティブのモバイルアプリケーションなどのフォーマットに出力できるため、iPadやその他のタブレット、スマートフォン、電子書籍リーダー、ウェブ、デスクトップへの配信を通じてコンテンツの提供範囲や利用を拡大できるとしている。
今回アドビはTechnical Communication Suiteの主要コンポーネントをすべてアップデートした。そのうち重要なものの1つは、プラグインなしでマルチチャンネルへのパブリッシングに利用できる編集ツール「Adobe FrameMaker 12」だ。これは、寄稿者や各分野の専門家が、コンテンツ作成のプロセスに参加するためのXML編集に特化した製品。直感的なユーザーインターフェースにより、たとえコンテンツの編集作業が進行中でも、各分野の専門家がリアルタイムに、コンテキストに沿った形で作業に加われるという。それにより、レビューや承認のサイクルを迅速化するとしている。
もう1つが、ワンクリックでレスポンシブなHTML5コンテンツを生成できる「Adobe RoboHelp 11」だ。HTML5、EPUB 3、KF8、MOBI、CHM、PDFを含む17種類の出力フォーマットに対応していることで、端末を問わずにパブリッシングできるという。
さらに、eラーニングに向けのコンテンツを作成する「Adobe Captivate 7」、動的なビデオプレゼンテーションを作るための「Adobe Presenter 9」、PDF機能の「Adobe Acrobat XI Pro」も追加している。
米Adobe Systemsの出版ビジネス部門でシニアバイスプレジデントを務めるNaresh Gupta氏は「技術文書が製品やサービスそのものに競争力を与えることを企業が認識し始めている」とし、ヘルプ情報の充実などの重要性が高まっていると説明した。