Pivotalジャパンは2月4日、Hadoopディストリビューション「Pivotal HD Enterprise」(Pivotal HD)と、Pivotal HD上での高速なSQL処理を実現する有償オプション「HAWQ」の国内販売を同日より開始したと発表した。1ノードあたりの年間サブスクリプション価格はPivotal HD Enterpriseが27万2550円、HAWQが74万9100円(いずれも税別)。買い取りでの販売形態も可能。
Pivotal HDは、オープンソースで開発が進むApache Hadoopをベースとし、一元的な構成管理、監視を実現する機能や仮想基盤上のHadoopの最適化をする機能を追加しており、クラウドシステムとの親和性の高い企業向けHadoopプラットフォームを実現する。
一方のHAWQは、Pivotal HD上で稼働する標準SQL対応の高速なデータベースエンジン。これまでHadoopで広く利用されてきたたSQLライクなクエリインタフェイス「Hive」と比較して数十倍から数百倍の高い性能を実現するという。また、Hiveとは異なり、標準SQL完全準拠によるHadoopファイルシステムへのアクセスできるため、企業の分析者はHadoopシステムの導入にあたり、これまで使用してきたBI(ビジネスインテリジェンス)やBA(ビジネスアナリティクス)などの分析アプリケーションを改変することなく、Hadoop上のビッグデータ処理が可能となる。
このPivotal HDおよびHAWQは、豊富な分析関数を標準で実装しているだけでなく、HiveやHBaseといった多様なHadoopエコシステムにも対応しており、これまでデータ分析手法や分析対象データごとにシステムを構成する必要があったのに対し、さまざまな分析要件に対応する統合ビッグデータ分析基盤の実現が可能になる。
なお、国内最初のユーザーとして、インターネット広告の分野において、日本最大級のアドプラットフォーム事業とアドネットワーク事業を展開するマイクロアドがPivotal HDおよびHAWQを導入している。サイト訪問者の行動履歴分析によるターゲティング広告配信サービスにおいて、これまで使ってきたHiveに比べ分析処理を約20倍に高速化し、より大きなデータに対する分析が可能になり、既存の分析パッケージアプリケーションを変更することなくシームレスに連携できているという。