三国大洋のスクラップブック

マイクロソフト新CEO就任その1--8年という時間を要した「反主流派」の起用

三国大洋

2014-02-07 07:30

 今回はMicrosoftの新しい最高経営責任者(CEO)就任についての話で、実質2本立て――CNET News.comに掲載された元幹部の寄稿記事を踏まえた「人選の意味」といった事柄についての「本題」のほかに、『スティーブ・バルマーは日曜日に果たして泣いたのか』という「おまけ」がつく。ではさっそく話に入ろう。

 米国時間4日に、Microsoft幹部のSatya Nadellaが同社の新しいCEOになることが決まった。

 Nadellaは、後継CEO選びの早い段階から名前が挙がっており、しかも社内の人間(幹部)としては最有力候補と何度か書かれていた人物だから、この最終結果にもよく解釈すれば「妥当かつ無難な人選」、うがった捉え方をすれば「5カ月近く時間がかかった割には、やや意外性に欠けるもの」くらいの印象を受けていた。

 しかし、正式発表前の「ほぼ確定」の第一報――Re/codeやBloombergの報道があってから、今までに各所で出されているさまざまな情報(文末、参照情報に列記)を踏まえてみると、逆に「妥当かつ無難な人選」というのがいかに高いハードルであったかに改めて気付き、あるいはそのハードルをクリアできそうな人材がよく残っていたものだな、といった感想を抱いたりもする。

「ほぼ満点」の理由

 NadellaのCEO起用や、それと一対になったBill Gatesの技術顧問就任については、現状で可能な選択肢としては「ほぼ満点」としている論評が圧倒的に多い。もちろん未知数というか、今後の「お手並み拝見」的な部分も多々残されているから(現に発表後にも株価はほとんど動いていない)、これでMicrosoftが新たな方向に一気に動き出すということでもないだろうが、そういう前提でこれまでに目にとまった事柄をいくつか書き出してみる。

意外な人物からの評価#1 ブラッド・シルバーバーグの絶賛

 Brad SilverbergというMicrosoftの元幹部がNews.comに寄稿した記事(“Why Nadella is the smart CEO pick to lead Microsoft”)は、まず目にとまったものの1つ。Silverbergという人は2000年前後まで同社に在籍し、Windows 95やInternet Explorer(IE)などの開発チームを率いていた人物。この寄稿記事については、ZDNet Japanでもすでに掲載されている(『MSの新CEOにNadella氏が最適である理由--元幹部が解説』)。

 これを読むと、Nadellaが新しいCEOに最適な人物(“the perfect person”)とされるわけがよく分かるが、この記事に注目したもう1つの理由は「書いたのがSilverberg」だったというところ。

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