3月8日、クアラルンプールを離陸したマレーシア航空機(MH)370便は、北京に向かう途中ですべての航空交通管制センターとの通信を絶ってから1週間以上経過した今もなお、消息不明の状態が続いている。
Frost & Sullivanは、失踪の有力な原因と、捜索を続行する際の方法を検討、発表した。
同社は、歴史上の根拠から次の6点を370便「失踪」の有力な原因に挙げた。
1つ目は、技術的なトラブルと操縦士のミスが重なることで発生する「雪だるま効果」だ。こうしたトラブルと判断ミスはしばしば起こるが、単独であれば危険性はない。しかし、複数の要因が重なり合うと、大惨事につながる。
その例が、エールフランス447便の墜落事故だ。この事故では、操縦士は墜落の10秒前に初めて危険に気付いたため、救難信号を発信できなかった。同機は2009年、パリに向かう途中で大西洋に墜落した。
2つ目は、旅客機の構造上のトラブルから制御不能に陥った可能性だ。最近の例では、2002年、高度35000フィートを航行中に起きたチャイナエアライン611便の事故がある。611便はボーイング747型機で、墜落の原因は修理ミスだった。
3つ目は、乗客または操縦士による故意の墜落行為だ。9.11の記憶はまだ薄れるにはほど遠い。
4つ目は、悪天候(雪、霧、雨、氷など)による旅客機の性能低下だ。こうした気象条件は、離着陸をはじめとする重要な飛行行程に影響を及ぼす。ただし、MH370便の場合、飛行中の天候は良好だったうえ、消息を絶ったのは安定飛行時だと考えられている。
5つ目は、電気系統全体のトラブルだ。これは主に、一般の旅客機で3つの電源系統すべてが失われたときに発生する。これが起こることはきわめてまれで、いまのところ先例はない。
6つ目は、同機がハイジャックされ、確認できない場所に着陸した可能性だ。しかし、MH370便に起こったこととしては考えにくい。ボーイング777-200のような大型旅客機が、多くの国境線が横切る領域で、あらゆるレーダーシステムから逃れる可能性は低いからだ。