「Windows XP」、サポート終了後も使う企業は77%--英調査

Charlie Osborne (Special to ZDNET.com) 翻訳校正: 編集部

2014-04-02 15:17

 「Windows XP」のサポート終了期限が迫っているが、多くの企業は間もなく、もはやサイバー攻撃から保護されないシステムに頼る事態に直面する。

 Microsoftは米国時間4月8日をもって、セキュリティ問題の調査や、脆弱性を修正してシステムやデータを安全に保つためのパッチのリリースを終了する。「Windows XP Service Pack 3」(SP 3)に対するアップデートは今後一切なくなるため、Microsoftは既に、ユーザーが各自のOSをアップグレードしない限り、「永遠にゼロデイ状態」のシナリオに直面すると警告している。

 英国のソフトウェア企業AppSenseが公開した新たな調査結果は、この古いOSを取り巻く懸念を浮き彫りにするとともに、企業のIT部門が急いでこの問題に対処し、最低でも「Windows 7」にアップグレードする必要があることも示唆している。

 AppSenseによると、英国企業の77%が、サポート期限が過ぎても引き続きWindows XPを業務に使用する予定だという。さらなる懸念としては、同OSに存在する脆弱性について多数の警告がなされているにもかかわらず、68%もの企業が有償での延長サポートに支出する「予定はない」と回答していることが挙げられる。こうした脆弱性の多くは、サポート期限が過ぎて新たなエクスプロイトに対するパッチが公開されなくなるまで、サイバー犯罪者によって蓄積される可能性がある。

 今回の調査は、英国を拠点とする企業100社のIT部門責任者を対象に実施されたもので、そのうちの半数が中小企業、残りの半数が従業員3000名以上の企業となっている。調査結果には、金融サービス、製造、小売、流通、運輸といった業界関連企業からの回答が含まれている。

 また、この調査結果では、プラットフォームを最新のシステムに移行する業務計画についても取り上げており、XPユーザーの84%が今後1年以内に新たなOSにアップデートする予定だと回答した。一方で、延長サポートのための料金を支払う予定はないとしたIT部門責任者の70%は、MicrosoftによるWindows XPのサポート終了後について、セキュリティ面の不安を「感じていない」、あるいは「まったく感じていない」と回答した。

 ただし、Windows XPはいまだに大半の企業に存在するものの、普及率でみると、その数は依然少数にとどまっていることも指摘しておきたい。調査対象の企業の87%が、XPを搭載しているデスクトップの台数は社内全体の25%未満と回答している。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. ビジネスアプリケーション

    生成 AI 「Gemini」活用メリット、職種別・役職別のプロンプトも一挙に紹介

  2. セキュリティ

    まずは“交渉術”を磨くこと!情報セキュリティ担当者の使命を果たすための必須事項とは

  3. セキュリティ

    マンガで分かる「クラウド型WAF」の特徴と仕組み、有効活用するポイントも解説

  4. ビジネスアプリケーション

    急速に進むIT運用におけるAI・生成AIの活用--実態調査から見るユーザー企業の課題と将来展望

  5. クラウドコンピューティング

    Snowflakeを例に徹底解説!迅速&柔軟な企業経営に欠かせない、データ統合基盤活用のポイント

ZDNET Japan クイックポール

所属する組織のデータ活用状況はどの段階にありますか?

NEWSLETTERS

エンタープライズコンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]