エンバカデロ、マルチデバイス向け開発基盤「Appmethod」--DelphiやC++Builderなどを再構成

山田竜司 (編集部)

2014-04-23 15:40

 エンバカデロ・テクノロジーズは4月21日、1つのコードでiOSとAndroidに対応したネイティブアプリの統合開発基盤「Appmethod」の販売を開始した。Appmethodは、すでに提供されている統合開発ツール「Delphi」「C++Builder」をマルチデバイス向けに開発機能を絞り再構成したものだ。


米Embarcadero マーケティング担当 バイスプレジデント Steve Haney氏

日本法人代表 藤井等氏

ドキュメント/ローカライゼーション担当マネージャーの新井 正広氏

 サブスクリプション形式で利用できる。税別価格は、個人ユーザー向けが年間3万4000円、企業ユーザー向けが年間11万円。企業向けでは、企業内のバックエンドにアクセスできる機能やクラウドにアクセスできる機能などがオプションとして提供され、利用するデバイスの数で課金される。6月からは、個人向けにAndroidアプリをC++で開発できる個人向けプランを無償で提供する。

 Appmethodは、DelphiやC++Builder、これらを含むスイート製品の「RAD Studio」と 同様、CPUで直接実行されるネイティブコードでマルチデバイスに対応し、デバイスの性能を活かしたアプリケーションを構築できるという。アプリケーションを構成するコンポーネントをドラッグ&ドロップで開発する手法 「ビジュアルRAD」でアプリケーションを作成するため、記述しなければならないコード量は、従来のおよそ5分の1に削減できるとした。さらに、一度開発したアプリケーションコードは、他のデバイス向けにもわずかな修正で利用できる。1つのソースコードでWindowsやOS X、iOS、Andoridを開発できる。

 これまでのDelphiやC++Builder、RAD Studioは、購入時に機能を決めてエディションを選ぶ必要があった。モバイルOSは頻繁にアップデートされるため、開発基盤の側でもアップデートする必要があった。サブスクリプション形式にすることで、契約期間中にリリースされる新版をコストを追加せずに利用できることがメリットと解説する。

 Appmethodは現在、「Object Pascal」に対応する。C++のサポートは6月になる。開発が進んでいる「Android 4.4(コード名:KitKat)」、やはり開発が進む「GoogleGlass」、アプリ内決済、広告、スマホアプリ開発環境(BaaS)への対応も予定されている。

 米Embarcadero マーケティング担当バイスプレジデントのSteve Haney氏は「ビジュアルRADとマルチデバイス対応でAppmethodは、最大20倍速く開発が可能」とアピール。日本法人のドキュメント/ローカライゼーション担当マネージャーの新井正広氏は、6月からサポートするGoogle Glassをかけて実演。Google GlassがQRコードを認識して、ウェブページに遷移する様子を見せた。

 日本法人代表の藤井等氏は「PC向けのソフト開発者は(Windowsの)XPから7/8へ応するアプリを作っている担当者も多く、モバイルに関われていないと聞く。モバイルアプリの開発者はPC向けソフト開発が分からないという人もいる。両者をつなぎたい」と語った。

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