カリフォルニア州サンノゼ発--NetSuiteの年次カスタマーサミット「SuiteWorld 2014」が米国時間5月13日に幕を開け、クラウドベースのエンタープライズリソースプランニング(ERP)ポートフォリオに対するさまざまなアップグレードや機能追加が披露された。
ビジネスソフトウェアプロバイダーであるNetSuiteにとって今回のサミットにおける最大の目玉はおそらく、サービスリソースプランニング(SRP)プラットフォームの発表だろう。同プラットフォームは本質的に、クラウドベースの単一のソフトウェアで業務のライフサイクルを回せるようにすることを目的として、ERPとプロフェッショナルなサービスの自動化を融合するというものだ。
その根底には、バックオフィスの財務とフロントオフィスのサービスを統合化し、1つのシステムで運用すれば、より大きな可視化が迅速に実現されるため、理論的には皆の時間の節約やわずらわしさの軽減に大きく役立つという考えがある。
カリフォルニア州サンマテオに拠点を置く同社はさらに、この種のクラウドプラットフォームは同社のものしか存在していないと断言した。
NetSuiteの最高経営責任者(CEO)Zach Nelson氏は基調講演で、6500人以上の聴衆を前に、同社が創業された1998年からこれまでにおける業界最大の破壊因子となったものごとを振り返りながら、ある特定企業がどのように定義されていたのか(すなわち小売業者や卸売業者)といったところから、そうした企業が今日どのように性格付けられているか(すなわち製品企業がサービス企業になる、またはその逆)といったところに至るまでの状況の変化をたどった。
Nelson氏は「これによって、ビジネスを築いていく方法の根本的な再構築が引き起こされる」と主張した。
Nelson氏はSaaS型ERPへの関心が急速に高まっていることに焦点を当て、Gartnerが2014年4月に発表した最新の調査結果を引用し、NetSuiteが財務管理システムのトップ10に入った点と、それらのなかで最も成長が著しいという点を強調した。
Nelson氏は「すべての会社がクラウド企業になりつつある」と総括したうえで、新興企業から、創業数十年の企業に至るまで、あらゆる企業がインフラに関する同じ意思決定や難題に直面していると述べた。
NetSuiteは今回のリリース対象が、プロジェクトや製品をベースにしたすべての企業だと述べたものの、同社はいくつかの重要な業界を念頭に置いている。
具体的には、ソフトウェア開発企業に加えて、広告や法律、マーケティング、IT、コンサルティングといった業界の顧客である。
Nelson氏はこれが製品企業とサービス企業の双方を同時に満足させる初めてのソリューションであると繰り返し、「どのような組織にとってもこれが未来になると考えている」と予想した。
NetSuiteのCEOを務めるZach Nelson氏
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。