IBMは4月のメインフレーム誕生50周年に引き続き、南アフリカ共和国とケニアの2カ所に建設した新たなクライアント向けセンターを披露した。これらのセンターは、メインフレーム技術を念頭に置いたアプリケーションやシステムの開発を目的としている。ヨハネスブルグとナイロビに位置するこれらのMainframe Linux & Cloud Innovation Centreはデモ用施設とサポートセンターという目的を兼ね備えている。
これら2つのセンターは、世界各地の40カ所にある同様のセンターとともにネットワークを構成することになる。
IBM South AfricaのゼネラルマネージャーであるAbraham Thomas氏によると、IBMは全般的にアフリカにおける拡張を最優先事項と見なしており、ナイジェリアとモロッコにおける小規模な研究センターにも投資しているという。
Thomas氏は「アフリカはIBMにとって重要な市場だ」と述べたうえで、「われわれはこの市場に多大な投資をしている。ここ2年の間に、すべての上級幹部がこの大陸を訪問している」と語っている。
「(これらのセンターは)新たなアプリケーションを開発したり、新たなパートナーにアプローチすることを目的として、クライアントやパートナーが来訪し、Linuxや『System z』を試せるようにするためのものだ」(Thomas氏)
IBMは、アフリカ全土に対して10年間で1億ドルを投資する、社内では「Project Lucy」という名称で呼ばれている計画を持っている。Thomas氏によると、クラウドサービスやモバイル分野をサポートできるインフラに対する需要は極めて高く、同地域の主要なIBM顧客にはFirst National Bank(FNB)が含まれているという。
FNBは、メインフレームベースのデータセンターを利用して現在毎月10億件を超えるトランザクションを処理しており、そのおよそ15%は携帯電話からのものだと述べている。
銀行をはじめとした、オンライン上でいつでも利用できるサービスへの需要は、同大陸全土でスマートフォンの普及が進むにつれて、爆発的に高くなると考えられている。南アフリカ共和国における携帯通信事業者最大手であるVodacomとMTNはともに、直近の決算でデータ通信関連の収入が前年同期比で40%以上増加したことを明らかにしている。
IDCの発表したデータによると、同地域のサーバ売上高は、南アフリカ共和国における販売が2013年に入ってから同国の通貨であるランドが20%下落したことで大きく落ち込んだにもかかわらず、前年比5.1%増となったという。世界的に見ると、同期間のサーバ売上高は4.4%低下している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。