また、映像学習としてのコンテンツも最近では充実してきており、インターネット上で無料で受講できる講義“MOOC(Massive Open Online Course)”の日本版JMOOCも先頃立ち上がり、日本のみならず、世界的にMOOCの展開に注目が集まっている。
前置きが長くなったが、本稿の本題である一般企業にも文教領域と同様に反転学習型の社内教育やトレーニングのコンテンツを設計すれば良いのだろうか。必ずしもそうとも言い切れない。むしろ、その逆であろう。
反転学習の導入は有効か
一般企業ではすでにウェブなどのe-ラーニングシステムを導入していることが多く、集合型の研修とe-ラーニングシステムを組み合わせて社内教育の仕組みを設計しているのが主流であろう。しかし、通常「忙しい」社会人にとって、よほど興味のある分野であるか、資格試験が迫っているなど、本当に必要に迫られたものでなければ、こうした社内教育やトレーニングに対する取り組みは従業員側からすると必ずしも前向きでないことが多いというのが実態ではないだろうか。
特に研修やトレーニング前の予習に割く時間はほとんどとれないだろう。実は、これは日本の学生向けのコンテンツ作成についても同様である。現在、多くのe-ラーニング用のコンテンツはPCの前に「ちゃんと座り」、勉強する体勢になってから1〜2時間かかる教材が多い。しかし、忙しい社会人が最初から最後まで通して受講するのは難しい。
自己学習用のコンテンツを作成する際には、
- 「コマ切れ」の時間でも学習できるコンテンツ設計 1トピックが山手線の駅2つ分の時間(5分程度)で見切れる長さのコンテンツがベスト
- ゲーミフィケーションを活用したコンテンツ設計 ゲーミフィケーションに利用される6つのファクターをコンテンツに組み込むのがベスト(図参照)
という2つのポイントに留意しながら、コンテンツ設計されることで、自己学習効果や反転学習などによる学習効果を向上させることが可能となる。
バンダイナムコゲームスの中山淳雄氏は、人の興味を持続させていくためには“中心にある「共感」という環境をバーチャルとリアルの世界でどのように実現してくのか”が極めて重要であるとコメントしている。
後編では企業で社員教育にタブレットを使う際の留意点や方法についてより詳細に解説する。