インフォテリアが三度、海外に進出する。7月にシンガポールに現地法人を設立、現法の最高経営責任者(CEO)は日本本社の代表取締役社長でCEOの平野洋一郎氏が務めている。7月14日に開いた事業戦略説明会で明らかにした。
インフォテリア 代表取締役社長兼CEO 平野洋一郎氏
平野氏は、2014~2018年の国内総生産(GDP)の平均成長率が日本で4%、東南アジア諸国連合(ASEAN)で8%という予測を示して、ASEAN内のハブであるシンガポールを拠点として、ASEAN全域に事業を展開すると説明した。「日本は世界のソフトウェア市場の6%しか持たない。現在3%の売上高の海外構成比を2020年には5割超にしたい」
インフォテリアは過去2回、海外進出に失敗している。これについて平野氏は「これまではすべて自前で現地の仕事を賄おうとして失敗した。これからは現地に詳しいパートナーを探すようにする」と述べた。今回のシンガポール進出では、社外取締役として、リコーのアジア太平洋地域を統括した経験がある斎藤周三氏、シリコンバレーのベンチャーキャピタルであるFenox Venture CapitalのCEOを務めるAnis Uzzaman氏を迎えている。両氏の海外事業の知見を生かす考えだ。
会見では、日本市場での好調ぶりをアピールした。企業アプリケーション統合(EAI)分野で「ASTERIA」のシェアは7年連続1位であり、累積の導入社数は2012年度の3604社から2013年度は4360社に増加。モバイルコンテンツ管理(MCM)市場で「Handbook」のシェアは1位であり、累積の導入件数は2012年度の531件から2013年度は650件に増加している。
MCM市場では、タブレットの企業導入率が2013年に32%になったという調査結果を挙げ、「(タブレットの企業ユーズは)キャズムを超えた。われわれはいわゆるアーリーマジョリティが導入に必要とする事例や効果の数値を多くもっている」と自信をのぞかせた。Handbookの導入で営業の訪問件数が1.5倍、成約率が2倍、成約までの期間が3分の1になったケースもあると説明していた。