ノースカロライナ州フォレストシティ--Facebookのフォレストシティデータセンターは、ノースカロライナにあるサウスマウンテンズの麓にある。
2012年から操業している、この郊外にある広さ160エーカー(約64万7500平方メートル)のキャンパスは、同社が米国各地に持つ拠点の1つだ。他にオレゴン州プラインビルに主力データセンターがあり、アイオワ州にも新しい拠点ができる。
われわれは最近、データセンターの施設マネージャーであるKeven McCammon氏の案内で同施設の見学ツアーを体験した。ここで、Facebookにはグリーンインターネットの取り組みを追いかけるつもりはなく、むしろそれをリードする意気込みを持っていることが明確にわかった。これは昨今の「ファイトクラブ」的ないがみ合いのメンタリティを捨て、コミュニティ主導のイノベーションの力を取り込んでいることを意味する。
フォレストシティのデータセンターは、ベアボーンの機材と消費電力の最適化という、オープンコンピュートプロジェクト(OCP)の前提に基づいて作られており、機能のほぼあらゆる側面がこうした設計の影響を受けている。
OCPは、従来オープンソースソフトウェアプロジェクトに関連していたモデルを用いてサーバやデータセンターを構築することを目的として、2011年に始まった。それから3年、ソーシャルメディアの雄である同社は、この共同シンクタンクからいくつかのことを学んだように見える。
Facebookは、OCPから学んだ設計効率のおかげでインフラコストを12億ドル節約したと述べている。これは、4万世帯の1年分の電力にあたり、炭酸ガスにして自動車5万台の排出量に相当する。
では、その設計効率とは、具体的にどのようなものだろうか。まず、フォレストシティのデータセンターでは、100パーセント外気を利用しており、電力消費が大きい暖房や冷房のコストを節約している。
この2時間の見学ツアーのうち、半分近くが空冷および空気ろ過の仕組み(OCPから得た知見で完成された)のための多くの通路を見学することに費やされた。これらは、センター内のサーバ群(台数は非公表)を理想的な温度に保つために必要なものだ。
空気処理のプロセスをごく簡単に説明すると、次のようになる。よろい窓から取り入れた空気が、最初のフィルタのフェーズ(プレフィルタ)に送り込まれる。次の部屋では、もう1つのよろい窓の壁が空気をラジエーターに向かわせ、そこで乾燥させる。空気はこの部屋からMuntersメディアと呼ばれる湿ったメッシュに押し込まれて冷却され、その後ホールに注入される。電子機器の間を通って暖められた空気はプレナム室に送られ、再使用されるか、暖房や除湿に使われるか、排気ファンに送られる。