Oracle OpenWorld 2014

オラクルと富士通の蜜月、割って入るインテル

大河原克行 2014年10月09日 07時30分

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 「成長性という点で考えれば、SPARCとSolarisの市場は厳しいのは明らか。だが、尖った分野であり、富士通の特徴を生かせる領域でもある」――。

 富士通の執行役員常務で、サービスプラットフォーム副部門長を務める河部本章氏は、SPARC M10による富士通のUNIXサーバビジネスをこう位置付ける。

Oracleが新チップを開発

 Oracleが、次世代SPARCチップ「M7」を、2015年にも出荷する計画を明らかにする中、富士通は、2015年末には、SPARC M10に搭載している現行の「SPARC 64X+」をさらに進化させ、富士通の特徴を生かしたUNIXサーバ事業をさらに強化する姿勢をみせる。その中で、今後、Oracleとの関係はどうなっていくのだろうか。

 Oracle OpenWorld 2014 San Francisco 2014の会場で、富士通の河部本執行役員常務に、SPARC M10を軸とした同社のUNIXサーバ戦略について話を聞いた。

富士通 サービスプラットフォーム副部門長・河部本章執行役員常務
富士通 サービスプラットフォーム副部門長・河部本章執行役員常務

--Oracleは、今年8月のHotChipsカンファレンスにおいて、次世代SPARCマイクロプロセッサ「M7」を発表しました。これに対して、SPARC M10に搭載している現行のSPARC 64X+はどんな位置付けとなりますか。

 富士通は、2013年に「SPARC M10」を出荷し、今年4月には性能強化を図ったわけですが、今後も1年ごとに継続的に性能を強化します。SPARC M10の特徴は、幅広く展開できる製品であり、それはOracleのM6やM7を搭載したUNIXサーバとは、大きく異なる特徴です。

 富士通は「SPECint_rate2006」をはじめとした15種類の標準的なベンチマークテストにおいて、世界最高性能を達成しています。この指標も大変重要なのですが、チューニング次第で性能は2倍も3倍も変わってくるというのが実情です。それよりもわれわれが重視したいのは、顧客の実環境でどれぐらいの性能が出るかということ。そこが勝負です。

日本独自の技術を盛り込んだM10

 かなりのケースで(OracleのM6やM7よりも)SPARC M10の方が強みを発揮できると考えています。世界でプロセッサは3種類しかありません。その1つであるCPUを富士通は15年以上やってきた経験があるわけです。それを富士通の強みとして生かしたい。例えば、富士通は「リキッド・ループ・クーリング技術」を持っており、熱に関する問題を解決しています。結果として、CPUを縦に並べることができ、メモリとの距離を短くでき、きょう体そのものを小型化できるのです。

 また、レスポンスの速さやスループットの高さが評価されています。日本ならではの技術を活用し、工夫を凝らしたUNIXサーバがSPARC M10です。CPUの生産そのものは台湾のファブを使っていますが、設計は富士通社内に持ち続けます。

--UNIXサーバ市場が縮小傾向にあるなか、富士通はこのビジネスをどう維持していきますか。

展示されていた「M10」
展示されていた「M10」

 確かに、SPARCとSolarisの市場は、今後の大幅な成長は考えにくい分野です。しかし、UNIXを求めるユーザーはおり、SPARCを使い続けたいという顧客も確実に存在します。そうした顧客に富士通はきっちりと対応し、製品の信頼性を保証していくことが必要だと考えています。日本においては、富士通にワンストップでのサービスを求める声が強いですが、さらに、高信頼性や高性能といった点においても高い評価があります。

 すでに、4000台の出荷実績を持ちながらも、マシンダウンがゼロというのは、富士通が自信を持ってUNIXサーバを提案できる強みのひとつです。また、海外では、スケーラビリティや信頼性を持ち、幅広い規模に対応できるという点が評価されています。これはOracleのサーバ製品とは違うところで評価されているものだと言えます。

 ここにきて、Oracleの営業部門やパートナーが、こうしたSPARC M10のポジショニングに対する理解が浸透してきたと言えます。また、パートナーのソリューションをSPARC M10の上で展開するといった動きが出始め、じわじわと評価が高まっているといえます。

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