サンフランシスコ発--今週は当地で、Oracleの年次イベント「Oracle OpenWorld 2014」が行われている。米国時間9月28日のオープニングキーノートに登壇したのは、同社の最高技術責任者(CTO)Larry Ellison氏だ。
多くのアナリストが予想する通り、Oracleがまず話題にしたのは自社のクラウド事業だった。
Ellison氏は2014年をOracle、なかでもとりわけクラウド事業のターニングポイントになると説明する。同氏によれば、クラウドの全3レイヤーのサービスをOracleで提供しなければならないことに、自身や社全体が数年前に気づかされたという。
Oracle OpenWorld 2014に登場したLarry Ellison氏
「30年前に顧客に対して約束していたので、SaaSにPaaS、IaaSを一括して提供する必要があった。他に選択肢はなかった」(Ellison氏)
SaaSレイヤーでは、2014年に社内開発したものと買収で取得したものをあわせてOracleが業界最大のポートフォリオを提供していると、Ellison氏は主張する。
さらに同氏はOracleが「Salesforce.comにとって、ハイエンドレベルの唯一の競合」であると言い、さまざまなサービスアプリケーションで「戦っている」とした。
「Salesforce.comは機会の把握を支援するのが得意」と述べるEllison氏は、Oracle製品の差別化ポイントはマーケティングクラウドなどのサービスが「販売キャンペーンの実施を支援し、外出や新しい機会の追求に必要なリファレンスデータベースや全てのツールを営業職員に提供する」点にあると述べた。
Ellison氏は、ここ1年の間に展開した多数の新しいクラウドアプリをアピール。この間にSaaSの利用顧客が2000以上増えたという。
「われわれは誰よりもコアなHCMを販売している。守りの地位にあるSalesforce.comに対して初めて優勢に立っている」(Ellison氏)
しかし、同日のOpenWorldで明らかになった最大の変化は、Oracleおなじみのデータベースだ。
Ellison氏はこのデータベースの進化をコンピューティングの「第4世代」と呼び、マルチテナント式のデータベースクラウドサービスを概説した。