3つ目は営業部門です。ここでは先ほど触れたように、どんな売り方をしてもらうのがいいのかということを一緒になって考えています。技術的な優位性があるのは確かですが、問題は市場にどう投入していくか。いわば、Go to Marketの展開が重要になり、ここではOracleの営業部門との協力体制が必要になります。
また、M10の技術は、パートナーに対して説明する際にも、自信を持って語れます。Oracleの場合は、Engineered Systemでの提案ということになりますが、SPARC M10の場合は、顧客の要望に合わせてパートナーの製品やサービスを持って行けます。富士通としても、パートナーの製品やサービスをこの基盤上で生かしてほしいと提案しています。このように、Oracleとの関係は、非常に独特なものになっています。
--富士通には、メインフレームからx86サーバまで幅広いサーバ製品があります。これらは今後も継続的に展開することになるのですか。
メインフレームが成長市場ではないのは事実ですが、富士通にとっては確実に利益を出している分野でもあります。また、メインフレームでなくてはならないという顧客が存在します。ニーズがある限り事業は継続します。これは、国内だけでなく欧州でも同様です。
また、x86サーバは利益率が低いのは確かですが、コンソリデーションが増加したことでオプションが増え、サポートを含めると利益が出ています。また、x86サーバは市場成長率が大きな領域でもあります。富士通にとっても事業を伸ばしていく領域であることに違いはありません。
それに対して、最も尖っているのがUNIXサーバの領域です。ここは、富士通が持つIP(知的財産)を自由に入れていくことができる市場です。また、SPARCの技術を、スーパーコンピュータの「京」に搭載するといった展開も実施しています。CPUビジネスの継続についても、ニーズとシーズの均衡点をしっかりととらえることで、事業を継続できると考えています。
ExaDataにSPARCという組み合わせも
SPARCとSolarisの組み合わせを一体として考えるのが一般的ですが、私はむしろ別のものとしてとらえる方がいいと考えています。極端に言うと「京」もSPARCサーバの1つですし、ExaDataの中にSPARCが入ればここで動くOSは、SolarisではなくLinuxでもいいということになります。垂直統合型システムであれば、ユーザーにとってはOSなんでもいいわけですから、その可能性は否定できません。
SPARC M10の技術を、Engineered Systemとして展開していくという可能性があってもいいと思います。あくまでも可能性という話ですが(笑)、それが実現すればOracleとは違う領域を狙えると思います。