Steve Ballmer氏が米国時間8月19日、Microsoftの取締役を退任し、14年間統括してきた同社との間に残っていた正式な絆を絶った。
Microsoftの歴史における大きな1章の終わりとなる今回の発表は、予測されていたことだった。Ballmer氏は2014年2月、Satya Nadella氏に後を譲って最高経営責任者(CEO)を辞任した。それ以来、同氏が表舞台に出ることはなく、同氏に関する最も大きな報道といえば、バスケットボールチームLos Angeles Clippersを20億ドルで買収したことだった。
実際、Ballmer氏は、「Dear Satya」(親愛なるSatya)で始まる書簡の中で、バスケットボールチームオーナーとしての自身の新しいキャリアに言及した。
「私の自信と今取り組もうとしている多数の新しい任務を考えると、取締役を続けることは実行困難で、退任することが私にとって最良である。秋には、新しい講義とNBAシーズンの始まりで非常に忙しくなるため、取締役を本日付けで退任することにした」と同氏は記している。
「Microsoftを心から思っている。34年間そうだったし、これからも常にそうだろう」とBallmer氏は自身のメモの中で述べた。
Nadella氏は公開された返信の中で、Ballmer氏の決断を理解し支持すると述べ、「取締役会の一員としてのあなたの洞察と統率力を失うことは非常に残念だ」と付け加えた。
取締役会に元CEOとその後任者がともに在籍しているというのは、気まずい状況だったかもしれない。Nadella氏が異なる方向へと同社の舵を切ろうとしていることを考えると特にそうだ。Ballmer氏の声明の中には、その可能性を行間にほのめかす記述があった。
同氏は、Nadella氏が思い描くモバイルファースト、クラウドファーストの世界へと方向転換する上で、Microsoftは「成功に向けて大胆に大きな賭けをする必要がある」と述べた。
「既存のソフトウェア事業を適切に管理しつつその転換を図るには、大胆さと恐れることのない精神が必要で、経営陣はそれを備えていると私は信じている」と同氏は記している。「また、われわれの取締役会はその恐れることのない大胆さを株主のために支持および奨励して、Microsoftの力を最大限に発揮させる必要がある。それを推進しなければならない」(Ballmer氏)
Microsoft取締役を退任したSteve Ballmer氏
提供:James Martin/CNET
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。