富国生命保険(フコク生命)は、年間60万件の顧客の問い合わせや意見、個々の契約内容を管理する「お客さまDBシステム」を刷新した。DBシステムは、コールセンターシステムとの連携を強化し、顧客情報の照会作業を一本化。問い合わせ対応時の顧客の特定と契約内容の照会などを大幅に迅速化し、顧客へのサービス品質向上と業務効率化を可能にしているという。日立製作所が8月21日に発表した。
従来、フコク生命では、コールセンターで顧客から問い合わせを受ける際、担当者が氏名や電話番号を聞き取り確認することで個人を特定し、その後、契約管理システムで契約内容を確認、さらに、過去の問い合わせ内容を顧客向けのDBシステムで照会していた。2つのシステムに登録されている内容を別々の端末を使用して確認していたため、問い合わせ対応までの顧客の待ち時間が長いことが課題となっていた。
今回のDBシステム刷新により、コールセンターシステムとの連携を強化し、顧客情報の照会作業を一本化したことで、通話が開始された時点で、電話番号をもとに即座に顧客の氏名や契約内容、過去の問い合わせ内容を特定できるようになったという。これにより、従来数分間を要していた受付手続きを大幅に短縮。顧客へのこれまで以上にきめ細やかなサービス提供と業務効率化を可能にしたという。
システムは、問い合わせ対応内容の登録業務も一本化したほか、新規契約や契約内容の確認など、顧客からの問い合わせ内容に応じた該当部署への対応依頼業務を自動化し、迅速な顧客へのサービス対応が可能になるとした。
人事情報と連携することで、部署や職位に応じたシステムのユーザー権限の自動割当ができ、システムのユーザー管理業務を自動化する。これにより、社内の業務効率化で生産性の向上を図っている。加えて、日立があわせて刷新した「汎用解析システム」では、機能を強化し、データ抽出時間を短縮させたという。抽出したデータは、顧客の申し出の傾向分析調査に活用されている。
今後、コールセンターシステムとの連携強化だけではなく、フコク生命のウェブサイトへの顧客からの問い合わせやアンケートハガキなどの情報も自動的に顧客DBシステムに反映させる予定とした。また、顧客アドバイザー約1万人が、タブレット端末から顧客情報を参照できるようにすることで、顧客への営業活動と連携させる予定だ。
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