IDC Japanは9月1日、国内ビジネスアナリティクス(BA)ソフトウェア市場の調査結果と予測を発表した。2013年は前年比7.7%増の1621億1600万円だった。2013~2018年の年平均成長率(CAGR)は7.0%、2018年の市場規模は2272億7900万円と予測している。2013年は業界再編とグローバリゼーションが、連結決算システムなどの導入や分析需要を顕在化させたと見る。
マーケティング分野ではSNS情報などの非構造化データも対象にした顧客分析や、モバイルデバイス向けの広告といったデータ活用が本格化し、市場が拡大しているとした。
市場の約4割を構成するデータウェアハウス(DWH)マネージメントプラットフォームは、前年比7.3%増の645億300万円だった。これに続く主要市場のビジネスインテリジェンス(BI)ツールは前年比6.3%増、パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーションは前年比9.6%増と市場が拡大している。
国内BAソフトウェアの主要3市場のうち2013~2018年のCAGRはBIツールが8.5%で、2018年の市場規模は704億2000万円、位置/空間情報分析ツールは同期間のCAGRが9.1%、2018年には118億2300万円と予測している。
2013年の国内BA市場は、大企業を中心に財務分析の取り組み意欲は高まっているものの、BA活用には課題も多く、業種や業務の専門領域に特化した複数の事業者による市場の開拓が進んでいる状況と総括した。
IDCは事業者に対し、自社のエンタープライズアプリケーション(EA)とBA部門の連携によりナレッジビジネスを大規模企業に展開し、BA活用ニーズを具体化する働きかけが必要と指摘。同時に、需要が顕在化している中堅中小企業にリーチし、企業データを自社のデータ基盤に移行させ、継続的なビジネス展開を図る分析基盤など、クラウドへの投資と取り組みが重要と分析している。
調査対象の国内BAソフトウェア市場とは、IDCが定義する以下の中分類市場、「DWHマネージメントプラットフォーム」「BIツール」「パフォーマンス管理/アナリティクスアプリケーション」「位置/空間情報分析ツール」「コンテンツ分析ツール」と、 これらの中分類市場に含まれる「会計パフォーマンス/戦略マネージメント」などの機能セグメント別の市場で構成されている。
2013~2018年 国内BAソフトウェア市場 売上額予測