ビジネスソーシャル基盤を提供する米Tradeshiftは9月17日、日本法人としてトレードシフトジャパンを設立し、日本市場で本格的にサービスを展開すると発表した。日本語版の提供を10月1日に開始する。
Tradeshiftは、クラウド形式で提供するビジネスアプリケーション基盤で、製造業者などのユーザー企業は、Facebookの友達リクエストのようなイメージでサプライヤーをプラットフォームに招待できる。サプライヤーもそれまで取引実績のなかった企業と商談できるなどの利点がある。この際、サプライヤーにはプラットフォームへの参加費用などは一切かからない仕組みだ。
基本的な機能として、既存のサービスの中ではSAPが2012年5月に買収したAribaが展開する調達ネットワーク「Ariba Network」に近い。だが、そこに、ソーシャルの要素を交えることで、従来の企業システムにはなかった使い勝手を実現しているという。既存分野の置き換えではなく、新たなカテゴリのリーダーを目指している。
来日した最高経営責任者(CEO)、Christian Lanng氏は「オープンプラットフォーム、アプリケーション、ソーシャルの3つを掛け合わせるレシピは正しいものだった」と話す。
10月1日に開始予定のサービス第一陣では、サプライヤーとバイヤー間で電子ドキュメントの送受信やステータス管理などを実施する基盤である「トレードシフトプラットフォーム」と、その上で稼働し、取引ネットワークを追加する機能である「ビジネスネットワーク」と、請求書などの文書を電子化する「eドキュメント」をリリースする。
Tradeshiftは2010年に設立。日本は欧州、中国に続く海外進出先となる。既に1.3億ドル以上の投資を受けており、米国でも今後の活躍が期待される企業として、話題を集めている。日本では、広く使われているEDIに仕様が古いものも多く、ソーシャルの要素を盛り込んだクラウドの仕組みが、今後新たな調達ネットワークとして台頭する可能性がある。
赤枠が10月1日にリリースする予定の機能