Hewlett-Packard(HP)が米国時間10月29日にニューヨークでイベントを開催し、「Sprout」という新製品を発表するとRe/Codeが報じている。先に分社化計画を発表したHPだが、SproutはPCとプリンタ事業のHP Inc.の拡大戦略にとって重要な製品となるかもしれない。
Re/Codeが10月21日付けで報じたところによると、Sproutはタッチに対応したワークスペースを持つ大型のフラットパネルディスプレイの上に、プロジェクタと3Dスキャナを組み合わせたものだという。フラットパネルディスプレイは同社のタッチ対応デスクトップPCライン「HP Pavilion Touchsmart」に似ているとのことだ。
Sproutのターゲットユーザーは企業で、たとえば内装業者が部屋の写真を使って壁の色を変えたり、家具を動かすとどうなるかを顧客に見せるなどの例が考えられるという。HPは同時に、高機能を求めるコンシューマーも狙う。
プロジェクタからワークスペースに画像を表示し、ユーザーは指やスタイラスでこの画像を操作できるという。写真の大きさを変えたり、要素を動かしたり、色を変えるなどの操作ができるほか、3Dスキャナでスキャンしたオブジェクトや画像を直接ワークスペースに表示して、その中の要素を加えることもできるという。Sproutは元Appleのハードウェア担当幹部、Eric Monsef氏が率いるグループにより開発されたとのことだ。
OSはまずはMicrosoftの「Windows」に対応、将来はGoogleの「Chrome OS」にも対応予定という。価格情報は得られなかったとのことだ。
HPは10月6日、会社分割を発表した。エンタープライズサービス、ソフトウェア、サーバ事業はHewlett-Packard Enterpriseに、PCおよびプリンティング事業は、HP Inc.に引き継がれる。分割は2015会計年度が終了する時点(2015年10月)までに行われる予定。