SDNの認知企業、半数は「導入に前向き」--IDC調査

山田竜司 (編集部)

2014-10-22 19:05

 IDC Japanは10月22日、国内企業804社を対象に8月に実施した企業ユーザーのネットワークに関する調査結果を発表した。企業の無線LANの利用は、今後さらに拡大する傾向が見られ、「Software-Defined Networking」(SDN)を認知している企業の半数程度は、SDNの技術やアーキテクチャの導入を前向きに検討しているという結果が出た。

 調査の対象になった企業の73.3%は無線LANをすでに利用しているが、すべての企業規模で無線LANの利用を今後拡大する傾向のユーザーが多い。特に、無線LANを利用している大企業(従業員1000人以上)の48.3%は、3年後には無線LANユーザーが多数を占め、そのうちほぼ全員が無線LANを利用していると考える企業は全体の21.3%と予測した。

 無線LANの利用拡大は、有線LANの利用や投資に影響を与えているという結果も出た。新規に無線LANを導入した企業や、無線LANの利用を拡大した企業のうち、無線LANの利用拡大が有線LANに何らかの影響を与えたとする回答者は72.1%。無線LANの利用拡大によって、有線LANの利用低下やイーサネットスイッチの購入が減少するなどの影響が顕在化しているという。

 企業ネットワークにおける障害発生状況に関する調査では、過去1年間に企業ネットワークで重大障害が発生したという企業は、回答者全体では58.2%、障害によってネットワークが停止した時間は、1年間の通算で30分という回答が最も多かった。

 また、ネットワーク障害を金額換算すると、ネットワーク障害によって必要になったコストと、障害発生による事業の機会損失額は、大企業ほどその影響が大きく、ネットワーク障害の影響範囲を局所化することが重要と分析しているとした。

 SDNの認知、検討状況に関しても継続調査では、SDNを認知している企業の半数程度は、SDN技術やアーキテクチャの導入を前向きに検討している。そのような企業がSDN技術やアーキテクチャを導入する機会として、プライベートクラウド環境の構築が重要な機会になるとIDCでは解説している。

 IDCは、企業におけるSDN技術やアーキテクチャの導入拡大を目指すのであれば、事業者はコストを抑えて導入が比較的容易なプライベートクラウド構築に適した製品やサービスを準備する必要があると指摘。企業のプライベートクラウド活用を支えるネットワークインフラの実現が、企業向けSDNには求められていると説明している。


無線LANの3年後の利用状況、従業員数1000人以上 N=122 (IDC提供)

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