日本ユニシスは11月4日、アプリケーション仮想化ソフトウェア「Spoon」とInternet Explorer互換ブラウザ「thinforie」の取り扱いを開始した。アプリケーション仮想化ソフトウェア「Citrix XenApp」の既存ユーザー企業を中心に3年間で2万ライセンスの販売を見込んでいる。
サーバOS「Windows Server 2003」のサポートは2015年7月15日に終了することが決まっており、現時点でのユーザー企業は最新OSへの移行が急務となっている。シンクライアント環境を構築しているユーザー企業では、シンクライアントのバージョンアップや、使用中のアプリケーションが最新OSに対応していないといった課題が生じている。
今回の2製品は、そうした課題を解消するためのもので、Windows Server 2003サポート停止後もXenAppシンクライアント環境で「Internet Explorer 6」対応ウェブアプリケーションを利用できる。

XenAppと連携したアプリケーション配信の概要図(日本ユニシス提供)
米Code Systemsが開発したSpoonは、Windowsで動くアプリケーションの実行環境をパッケージ化し、XenAppで画面転送することで、エンドユーザーが最新のクライアント端末から古いアプリケーションを利用できるようにする。クライアント端末上で独立して動作するため、「バージョンの互換性」や「複数バージョンのアプリケーション競合」といったこれまでの課題を解決できるとしている。
Spoonは、アプリケーションの動作に必要なレジストリ情報やシステム情報をOSから切り離し、EXE形式の実行ファイルにカプセル化し、独立した動作を可能とする。アプリケーションをクライアント端末にインストールする必要がないため、バージョンの互換性問題や複数バージョンのアプリケーション競合などの課題を解決し、クライアント環境に依存することのない最適なIT環境の構築とアプリケーション運用を実現できるという。
Spoonと併せて利用されるthinforieは、ライセンスに抵触するIE6のコンポーネントを一切含んでおらず、ライセンスポリシーに違反することなく既存のウェブアプリケーションを継続して利用するできるとしている。
thinforieは、クライアントOS「Windows XP」上で稼働するIE6向けに開発されたアプリケーション移行で課題となるメーカーサポートやアプリケーション改修の問題を解決するために、IEコンポーネントブラウザと呼ばれるIE互換ブラウザを双日システムズが独自に開発。thinforieによりメーカーのライセンスポリシーに違反せずにウェブアプリケーションの仮想化を実現できるだけではなく、エンドユーザーの環境やアプリケーションにあわせた改修もできるとしている。