「Apache Hadoop」のディストリビューターであるHortonworksは、米国時間11月10日に新規株式公開(IPO)を申請した。同社が米証券取引委員会に提出した登録書「Form S-1」は最小限の内容に留められており、公開する株式数や想定価格帯などはIPO開始まで開示されないもよう。
TwitterやBoxなど、他社による最近の大型IPOで示されたように、新興企業の資金調達支援を目的とした法律「Jumpstart Our Business Startups Act(JOBS Act)」に基づき、株式公開する企業は総額が10億ドル未満の場合に非公開でIPOを申請できる。
HortonworksのForm S-1によると、現時点ではGoldman Sachs、Credit Suisse、RBC Capital Marketsが共同主幹事やブックランナーを務めるとされている。これら以外にも、Pacific Crest Securities、Wells Fargo Securities、Blackstone Capital Marketsが幹事に名を連ねている。
このForm S-1ではHortonworksの貸借対照表の一部も開示されている。それによると、同社は2013年と2014年の9月30日に終了する9カ月通算で、それぞれ1億5900万ドルと3億3400万ドルの利益を上げている。同期間の純損失はそれぞれ4800万ドルと8670万ドル。
スタートアップ企業のデータベースを提供する「CrunchBase」によると、Hortonworksは2011年の創業以降、5回の資金調達で合計2億4800万ドルを調達している。同社の資金調達は多くの大手企業の注目を集めており、たとえばHewlett-Packard(HP)は7月、Hortonworksとビッグデータ分野の強化を目的とした広範な提携を結んだうえで、5000万ドルを投資している。
Form S-1によると、米YahooもHortonworksに多額の投資を行っており、19.6%の株式を保有する最大の株主となっている。その他の大株主としては、シリコンバレーのベンチャーキャピタル企業であるBenchmark CapitalとIndex Venturesがそれぞれ18.7%と9.5%の株式を保有している。そこに、8.3%のTeradata、5.9%のHPが続く。
Hortonworksのエンタープライズプラットフォームの開発にはYahooが深く関与している。YahooはHadoop開発チームの中核メンバーをプロジェクトに充て、自社で開発した初期の技術をベースとした機能拡張を支援した。これ以外にも、Hortonworksは巨大なビッグデータ管理に対応するため、EMCのPivotal Initiative、BMC Software、Red Hat、Accentureなど、過去2年間に数多くの企業と機能統合に関する提携を行っている。さらにHortonworksは、Hadoopのセキュリティ強化を目的に新興企業のXA Secureを買収するなど、自身でも企業買収を通じた拡大を行っている。
Form S-1によると、Hortonworksは9月30日の時点で、サポートサブスクリプションの顧客を233件、多種多様な業界および規模の顧客を292件獲得している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。