2015年は、オープンソースのビッグデータテクノロジ「Hadoop」が分析やSQLデータベースクエリの処理に使われるようになり、企業での導入が急増すると、Forrester Researchは予測している。ForresterのアナリストであるMike Gualtier氏は報告書の中で、2015年はHadoopが企業に普及する年になると予測した。Hadoopはビッグデータを処理するテクノロジとして最もよく知られているが、エンタープライズ環境におけるほかの用途にも拡大し、この流れに乗る経営幹部が増えていくだろう。

同報告書の要点を引用する。
Forresterとしては、Hadoopは大企業に必須のテクノロジであり、顧客中心の時代に必要とされる、未来の柔軟なデータプラットフォームを支える基盤だと考えている。しかし、Hadoopは単なるデータプラットフォーム以上のものになりつつあるとも言えるだろう。その経済的意義、パフォーマンス、柔軟性を考えると、あらゆる企業のビジネステクノロジ(BT)戦略に欠かせない存在となるはずだ。アプリケーションの開発とデリバリの専門家が開発する、Hadoopを使用したスマートアプリケーションは、アナリティクスを利用するだけでなく、アプリケーションの中核を成すようになるだろう。
Hadoopが2015年のビジネスに大きな影響を与えるということの主な根拠は、経済性だ。Forresterは、「Hadooponomics」(Hadoopと経済学を意味するeconomicsを合わせた造語)の力が働いて、導入せざるを得ない状況が生まれると指摘した。Hadoopを利用することで安価にデータレイクを構築し、分析クエリを実行できるためだという。Hadoopはストレージと処理能力を拡張し、クラウドを活用することができる。
分野に関しては、注目の「SQL on Hadoop」の利用が拡大するだろう。SQL in HadoopとSQL on Hadoopによって、企業は構造化データと非構造化データの両方を利用できるようになる。SQLはまた、アナリティクス、ビジネスインテリジェンス、企業データを結び付ける役割も担う。
Hadoopの使用にはスキルが求められるという向きもあるが、Teradata、IBM、Oracle、Microsoftなどの企業ベンダーがギャップを埋めるだろう。Forresterは、HadoopがRed HatやVMware、MicrosoftのOSに、オプションとして追加されると推測している。
また、Hadoop人気によって、Oracle、SAP、Tibcoから多くの新たなディストリビューションが出ることになるだろう。IBMとPivotalは既にHadoopディストリビューションを提供している。ClouderaとHortonworksはHadoopディストリビューションに専念している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。