RDBからNoSQLへの移行はこうして本格化する--Couchbase CEOが展望する2015年 - (page 2)

Toby Wolpe (ZDNet UK) 翻訳校正: 川村インターナショナル

2014-12-24 06:00

 「しかし、第2段階で重要なことは、企業はNoSQLをまずいくつかのミッションクリティカルなアプリケーションの下に導入し始めることだ。彼らはまだ、NoSQLを大規模に導入するという戦略的な決断は行っていない。それが第3段階の重要な点になるとわれわれは考えている」とWiederhold氏。また以下のようにも述べている。

 「第3段階は、おそらく2015年の後半に始まると考えている。まだ始まっていない。われわれは顧客企業の数社と話をしている。彼らは第3段階に入りつつある。もちろん彼らはそれを第3段階とは呼んではいないが、『われわれはNoSQLを大規模に導入したいが、そうする前にまず、この14の機能が必要だ』ということを言っている」

 Wiederhold氏によれば、多くの企業は、最初のいくつかのミッションクリティカルなアプリケーションの下に導入するだけであれば、NoSQLを扱える知見を持っている。しかし、このテクノロジの大規模な導入には、包括的な製品が必要になるという。

 また、「第2段階では、まず2つか3つ、あるいは10のアプリケーションに導入している。しかしよく聞くのは、人々が最終的に目指すのは、Oracleに年間4000万ドルを支出していて『では、非常に大きな転換を行おう』と言い出すという話だ」という。

 「いっぺんに全てではないが、ある段階で、彼らは大規模なプラットフォームの変更、つまりNoSQLの大規模な導入を始める準備ができたと言う。彼らは、Oracleを完全に使わなくなることはないが、Oracleに対する支払いを大幅に減らしていく。それははるかに大規模なNoSQLの導入を意味する」(Wiederhold氏)

 大半のデータベース移行が、NoSQLテクノロジの間ではなく、リレーショナルデータベースからNoSQLへという方向で行われるのは避けられないと、Wiederhold氏は語る。

 「われわれは間違いなく、現行のリレーショナルデータベースと競合することになる。考えてみると、世界のミッションクリティカルかつビジネスクリティカルなアプリケーションの大半は、かなり前からある。そうしたアプリケーションは現在、他のNoSQLデータベース上ではなく、リレーショナルテクノロジ上で稼働している」(Wiederhold氏)

 つまりほとんどの場合、CouchbaseはOracleだけでなく、IBMや「Microsoft SQL Server」「MySQL」に取って代わることになる。

 同氏によると、「それこそ、われわれが取って代わろうとしているものであり、その意味では、われわれが競合している相手だ。しかし企業が評価を行う場合には、彼らはリレーショナルテクノロジ対CouchbaseやMongoDB、DataStaxという評価をしているのではない」という。

 また、「彼らは既に、特定のアプリケーションにNoSQLを使おうと実質的に決断している。そうなると、それは単に、われわれと、MongoDB、DataStaxを比較するという話になる。最近では、企業が一般的に評価するのは、この3社だ」とした。

 Couchbaseは、自社を100%オープンソースの会社だと説明している。その顧客には、オークションサイトのeBay、電子決済専門サービスのPayPal、ビジネス向けソーシャルネットワークのLinkedIn、旅行業界専門のテクノロジ企業Amadeus、そしてオンラインカジノのBetfairなどが含まれている。

 6月にCouchbaseは、投資ラウンドのシリーズEで6000万ドルを調達したと発表した。これにより、Couchbaseの調達資金総額は1億1500万ドルになった。主要製品である「Couchbase Server 3.0」はベータ版が8月にリリースされ、「Couchbase Server 3.0.1」の最初のメンテナンスリリースが10月から公開されている。

 モバイル向けのネイティブNoSQL JSONデータベースである「Couchbase Lite」は、5月に一般提供された。Couchbaseは、ドキュメント指向型データベースとしても、純粋なキーバリュー型データベースとしても使うことができ、Apache 2.0ライセンスの下で提供されている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

ZDNET Japan 記事を毎朝メールでまとめ読み(登録無料)

ホワイトペーパー

新着

ランキング

  1. セキュリティ

    「デジタル・フォレンジック」から始まるセキュリティ災禍論--活用したいIT業界の防災マニュアル

  2. 運用管理

    「無線LANがつながらない」という問い合わせにAIで対応、トラブル解決の切り札とは

  3. 運用管理

    Oracle DatabaseのAzure移行時におけるポイント、移行前に確認しておきたい障害対策

  4. 運用管理

    Google Chrome ブラウザ がセキュリティを強化、ゼロトラスト移行で高まるブラウザの重要性

  5. ビジネスアプリケーション

    技術進化でさらに発展するデータサイエンス/アナリティクス、最新の6大トレンドを解説

ZDNET Japan クイックポール

自社にとって最大のセキュリティ脅威は何ですか

NEWSLETTERS

エンタープライズ・コンピューティングの最前線を配信

ZDNET Japanは、CIOとITマネージャーを対象に、ビジネス課題の解決とITを活用した新たな価値創造を支援します。
ITビジネス全般については、CNET Japanをご覧ください。

このサイトでは、利用状況の把握や広告配信などのために、Cookieなどを使用してアクセスデータを取得・利用しています。 これ以降ページを遷移した場合、Cookieなどの設定や使用に同意したことになります。
Cookieなどの設定や使用の詳細、オプトアウトについては詳細をご覧ください。
[ 閉じる ]