Piper Jaffrayが最高情報責任者(CIO)を対象に実施した意識調査によると、Oracleはクラウド分野における認知度を高めてきており、クラウド戦争で勝利を収めつつあるようだという。
Piper Jaffrayの「2015 CIO Survey」では71人のCIOが回答し、投資の優先順位がクラウドコンピューティングにシフトしつつあることが明らかになっている。具体的には、クラウド関連のプロジェクトに対する投資を増加、あるいは維持する計画だと答えたCIOは97%にのぼっている。一方、オンプレミスのプロジェクトに対する投資を増加、あるいは維持すると答えたCIOは80%となっている。また、オンプレミスのプロジェクトに対する投資を削減するつもりだと答えたCIOは20%だった。
自社のIT予算の中で、クラウド(オフプレミス)とオンプレミス、いずれを増やす(削減する)予定か?
Piper JaffrayのアナリストKatherine Egbert氏は、Oracleの豊富な品ぞろえがこれに寄与していると分析している。Egbert氏は今回の調査と、Oracleの最近の好調な業績を受け、Oracle株に対する投資判断を引き上げている。同氏は以下のように述べている。
プライベートクラウドに対する投資の恩恵が最も著しいベンダーとしてOracleの名前が最も多く挙がっており、その数は2位のSalesforce.comの2倍となっている。クラウドに対する投資が増えている環境ではOracleがナンバーワンのベンダーとして挙げられているが、ERPといったクリティカルなシステムをオフプレミスモデルで実現することに対してはためらいが見受けられる。Oracleのスイートというアプローチは成功しているようだ。
自社のクラウド向け総支出によって最大の利益を得るベンダーは?
簡単に言うと、Oracleはクラウドへの移行を円滑に実施できると考えられており、同社は企業のハイブリッド型アプローチによる恩恵を享受できる。
今回の調査結果で注意すべきところは、Oracleの最近の四半期決算が、こういった認知度にどれほどの影響を与えているかという点にある。四半期決算が連続して予想を下回り、期待が低下していたものの、同社はそうした状況を乗り越え、クラウド戦略を大々的にアピールした。同社の2月の決算が予想通りの結果となれば、クラウドに関する同社のイメージは維持されるだろう。しかし再び予想を下回る結果になれば、疑問が呈されるようになるはずだ。
とは言うものの、Piper Jaffrayの調査はOracleにとって肯定的なデータとなっている。Oracle対SAPの戦いを注視しているのであれば、今のところOracleがクラウドのマインドシェア戦争に勝利しつつあると言ってよいだろう。CIOたちは2015年の優先事項としてERPやセキュリティ、ビジネスインテリジェンスとビッグデータ、Eコマースを挙げている。
エンタープライズソフトウェアのベンダーとして好ましい企業は?
(左列:プライマリベンダー、右列:セカンダリベンダー)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。