先ごろ行われた調査の結果、企業は1週間に平均1万7000件に及ぶマルウェアアラートに悩まされている一方、信頼できるアラートはそのうちのわずか19%に過ぎず、膨大な数の誤検出が企業に年平均127万ドルの損失を与えていることが明らかとなった。
この調査は、米セキュリティベンダーDamballaからの委託により、独立系の情報セキュリティ調査会社Ponemon Instituteが実施したもの。それによると、誤検出(後になって脅威ではないと判明するアラート)は企業に深刻な損失を引き起こす要因の一つとなっている。さらに、企業のITセキュリティ部門は膨大な数の誤検出によって些末なマルウェアの駆除に追われ、ビジネスに大打撃を与えるような本当に危険な脅威に対処できなくなる恐れも生じている。実際、誤検出率の高さと、脅威に対処するためのリソースの不足が原因で、企業で最終的な調査に至るアラートは全体のわずか4%に止まっている。しかし、大量の誤検出に悩まされる一方で、調査に参加した企業の60%は1年前と比べマルウェアの脅威が増加したとも回答している。
調査によると、企業は1週間に平均して600時間をマルウェアへの対処に費やしており、そのうちの230時間はマルウェアの被害を受けたネットワーク、デバイス、アプリケーションの修復および更新作業だ。加えて、マルウェアに関する情報の調査に199時間、そうした情報の取得に73時間、情報の評価に54時間、マルウェア対処計画の立案に17時間、マルウェア対処の結果報告に13時間が浪費されている。
なお、調査に参加した企業の3分の1近くが「場当たり的」なマルウェア対処を行っていると回答しており、そうした対処方法が全体的なコストを上昇させている可能性は否めない。また、調査では企業が多額の費用をかけて運用しているセキュリティ製品を信頼していない実態も浮き彫りになっており、参加した企業の多くは、自社で運用するセキュリティ製品が毎週40%のマルウェアを見落としている可能性があると回答している。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。