約1年かけてAmazonはやっとイスラエルの「ソウルメイト」を見つけたようだ。同社がイスラエルの半導体開発企業Annapurna Labsを買収することで合意したと、Reutersなどが報じている。Annapurna Labsは、データセンター向けに高速な通信と処理を可能にするシステムを開発するベンダーだ。
この買収は、Dropboxがイスラエルのベンチャー企業CloudOnを買収して、イスラエルに研究開発センターを設立すると発表した翌日に報じられた。Annapurna Labsは2011年頃から操業している。
Annapurna Labsは自社の製品開発についての詳細を明らかにしておらず、会社についての情報も「プラットフォームが設計される方法を変える」とする以外は、多くを公開していない。
同社の事情に明るい情報筋によると、Annapurna Labsはデータセンター向けの通信システムと処理プラットフォームを開発しているという。「Amazonは世界最大級のデータセンターを運用しており、顧客に自社のサービスを提供するにあたってさらに高速で効率の良い方法を常に探している。Annapurna Labsの買収はAmazonにとって理にかなったものといえる」とこの人物は述べた。
イスラエルのメディアが言及している業界の情報筋によると、買収金額は約3億5000万ドルという。Annapurna LabsとAmazonにコメントを求めたが、本稿掲載時に回答は得られていない。
Annapurna Labsについての情報は少ないが、最高経営責任者(CEO)のAvigdor Willenz氏に関する情報は多い。Willenz氏は成功したイスラエル人半導体起業家の1人で、2000年にはGalileoをMarvell Technologiesに27億ドルで売却している。Galileoの設備はMarvellがイスラエルに持つ研究開発部門に統合され、1200人が勤務するレベルに成長している。
イスラエルのメディアによると、Amazonは少し前からイスラエル企業の買収を模索していたという。同社は2014年、イスラエルに拠点を開き、ベンチャー企業や老舗企業と「Amazon Web Services」の利用で協業を図っている。先日イスラエルを訪問したAmazonの最高技術責任者(CTO)、Werner Voegels氏は、ここ数年Amazonは多数の素晴らしいイスラエルのベンチャーと出会う機会があり、これまでの成果に満足していると述べた。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。