犯罪に技術で対応--シャープ、固定電話新製品に特殊詐欺対応機能を搭載

大河原克行

2015-02-15 12:00

 シャープは、ファクシミリと電話機の新製品として、7つの振り込め詐欺被害対策機能を搭載したデジタルコードレスファクシミリ「Fappy UX-AF90CL」「Fappy UX-AF90CW」、デジタルコードレス電話機「JD-AT80CL」「JD-AT80CW」を2月27日から順次発売する。

 固定電話市場は、2014年度見通しで281万3000台の規模を誇る。だが、シャープの調べによると、60歳以上の購入者が30.9%、70歳以上が42.8%を占め、固定電話の購入者の7割以上が60代以上になっているという。これに対して、振り込め詐欺の被害者は60歳以上が17.0%、70歳以上が68.1%以上となっており、固定電話の購入者と合致しているという。

辰巳剛司氏
シャープ デジタル情報家電事業本部 モバイルソリューション事業部 事業部長 辰巳剛司氏

 シャープ デジタル情報家電事業本部 モバイルソリューション事業部 事業部長の辰巳剛司氏は「警察庁の調べによると、振り込め詐欺を含む特殊詐欺の被害総額は2014年には過去最悪の約559億円となっている。振り込め詐欺の電話のほとんどが固定電話にかかってくる。振り込め詐欺などの電話を受けたことがあるという高齢者は5人に1人となっており、電話で悪質な勧誘を受けたことがある人も3人に1人に達している。固定電話を発売するメーカーとして、こうした社会問題の解決に貢献できないかと考えた」と語る。

 シャープによると、ある高齢者の家庭に設置された固定電話では、2週間の間にかかってきた電話の20件中18件が勧誘電話であり、そのために、常に留守番電話設定にしているという。結果として、知人が電話をかけても留守だと思ってしまい、すぐに電話を切ってしまうということが起こっている。「高齢者のコミュニケーションにとって不都合な環境となっており、知人や近隣の人たちとの接点が希薄になるという問題も出ている」

拡大する特殊詐欺の被害
拡大する特殊詐欺の被害
詐欺被害者の認識
詐欺被害者の認識

「自分は大丈夫」でも被害に

 今回発売する新製品では、本体の電話帳に登録されていない相手から電話がかかってきた際に、自動でメッセージを流して相手に名前を名乗ってもらうように促す「自動聞いてから応答」、赤色のランプで知らせる「あんしんLED」、通話後に音声メッセージを流して注意を呼びかける「通話後声かけ」、今後の着信を許可するかどうかを選択できる「かんたん通話後番号設定」といった機能を搭載。通話時に自動で警告メッセージを流した後に、通話内容を最初から録音できる「自動通話録音」、非通知の電話は自動で通話を拒否する「非通知お断り」も搭載している。

 「怪しい電話に出ないということを徹底した機能を搭載している」

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