電通国際情報サービス(ISID)は3月12日、統合人事パッケージソフトの新版「POSITIVE Ver.6.0」の販売を開始した。新版では、グローバル人材活用を支援する「タレントマネジメント」モジュールをラインアップに加えた。
新版で提供されるタレントマネジメントモジュールでは、エンドユーザーが人事体系を読み替えるための情報を柔軟に定義し、グループ内の人材情報を横断的に可視化できる「Global Career Master Mapping(GCMM)」機能を提供する。GCMMは、グループ全社共通の読み替え情報を統一定義することなく人材情報をグループ横断で可視化できると説明。例えば「全拠点の本部長相当の人員をリストアップ」「該当地域内で特定のスキル保有者を参照」といったようにエンドユーザー自身で求める情報の範囲や項目を定義し、参照できるという。
日本企業のグローバル事業展開が加速する中、本社だけでなく国内外グループ会社を包含した企業グループ全体の人材情報を可視化し、人材の登用や配置、育成等を最適化する「グローバルタレントマネジメント」の重要性が高まっていると指摘されている。グループの人材情報を可視化するためには、グループ各社で人事体系が異なる場合、役職やスキル、資格などをグループ統一の指標に読み替えるための情報を定義する必要がある。
だがグループ全社の人事体系をすべて網羅したグループ共通情報を定義するには、多大な時間と労力がかかる。合併や分社という企業形態の変更や制度変更によるメンテナンスの負荷も課題とされている。
グループ全社共通の読み替え情報を統一定義することなく、人材情報をグループ横断で可視化できるGCMM(ISID提供)
新版ではまた、人や能力などの“職能”と仕事や役割といった“職務”の両面での人材管理機能を強化し、日本企業の複雑な人材管理を支援するとしている。例えば、現地法人設立を計画する際に職能視点の人材検索に基づき候補者を絞り込んだ上で、求める職務に必要な能力が候補者に不足している場合には、必要な資格や教育内容を提示するといったことも可能だという。
タレントマネジメントと人事給与や就業管理の機能などがシームレスに連携でき、効率的かつ迅速な人材管理が可能と説明。システム連携インターフェース開発や情報の二重入力といった負担や手間を軽減できるとしている。
POSITIVEの画面イメージ(ISID提供)
POSITIVEは、人事給与や就業管理だけでなく、タレントマネジメント支援やグローバル人事などの機能を網羅した統合人事パッケージ。大規模運用が可能な性能と高度な複数会社管理機能が評価され、人事シェアードサービスの基盤システムにも多く採用されているという。ヒトに関する情報の統合管理を実現し、グローバル&グループでの人材マネジメントを支援する。POSITIVEを中核とするISIDのHCM(Human Capital Management)システムの導入実績は1400社としている。