人事部門が戦略的に--SaaS型人材管理システム「Oracle HCM Cloud」が強化

三浦優子 2014年04月19日 08時00分

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 2018年までに米国で必要とされる大卒者の数が300万人、中国では世界進出する企業を経営する人材が2020年までに7万人足りなくなり、その結果として2020年には重要な専門職、技術職、管理職のポストが埋められなくなる企業が出てくるという予測が出されている。グローバル企業が求める人材の問題は日本だけではないようだ。

 日本オラクルは4月17日、SaaS型の人材管理システム「Oracle HCM Cloud」の強化を発表した。オラクルでは、今回の発表のHCM Cloudを“新世代型”の人材管理システムと説明する。

 従来の人事制度を中心に据えたシステムではなく、単なる人材ではなく、企業にとって宝となる“人財”のタレント性を中心に捉えたシステムとしている。従来の人事システムにはなかったソーシャルやモバイル、ビッグデータに対応していることが特徴とし、今回の機能強化でも、ソーシャル、モバイル、ビッグデータに対応した機能を強化している。

人事部門が本来業務に集中

 HCM Cloudは、ソーシャルやモバイル、ビジネスインテリジェンス(BI)システムでよく使われるダッシュボード、予測分析、システム連携というグローバルで共通する機能がベース。「Oracle Cloud」を基盤とするHCM Cloudは、ユーザー企業固有で拡張できるようになっている。

 各国の言語や法令などをサポートする階層があり、人材の採用や内定、配置、育成計画、目標管理、実績評価、報酬、後任計画、ラーニングなどの機能も搭載している。従業員1000人規模の企業で、タレントマネジメントシステムを導入した場合の月額利用料金は約20万円という。グローバルで6000社の採用実績がある。

 「グローバルレベルの優秀な人財を発見し、継続的に雇用する。チームの能力を最大限に発揮させて、そのために効果的な情報を従業員に提供する。そのシステムにどこからでもアクセスできるような環境作りが人事部門担当者に求められるようになっている。こうしたニーズに応えるのが新世代型人事システムであり、今回の機能強化でソーシャルメディア対応、モバイル&ユーザビリティ、アナリティクスというテクノロジトレンドへの対応を強化した」(日本オラクル アプリケーション事業統括 事業開発部 担当ディレクター 黒川竜司氏)

 今回の機能強化では、次の5つの機能を強化した。

 (1)ソーシャルメディア対応として、Oracle Cloud上で稼働する「Oracle Recruiting Cloud」と「Oracle Social Sourcing Cloud」を活用すれば、データだけでなく、プロセスを連携できるようになり、紹介者が紹介した採用ステータスが確認できるようになった。ソーシャルメディアを使った社内人材発掘、適材適所への配置が可能という。従業員からの紹介での人材確保に向けて、求人リスト、職種ごとのポータルページはモバイル端末に対応している。

 (2)従業員全員が利用するシステムとして、PCとモバイル端末のどちらでも直感的に操作できるような画面設計となっている。モバイル対応も強化され、通常の人事業務、休暇申請などの承認のワークフローまで対応範囲を拡大させている。

 (3)Oracle Cloudで提供されている「Oracle Business Intelligence」と「Oracle Talent Management Cloud」を統合したことで人材情報を深く分析できると説明。採用にかかる日数の短縮、有効な求人情報の露出先を分析する機能が拡充し、人事担当者の実務負担を軽減できるという。

 (4)グローバル対応として、勤怠管理の記録を自動化し、勤務時間をビジネスの優先度にあわせて調整できるという。グローバル組織の包括的なモデリング機能で経費や従業員数、仕事内容への大幅な変更にも対応するという。対応する言語は34、14カ国の法令に準拠している。これまでに180カ国で活用されているとしている。

 (5)人財を中心に据えるためにTalent Management Cloudは、採用業務と人事管理業務を連携させている。事前にデータをマッピングし、採用と人事データや社内組織変更によるマスターデータを一元化できる。採用の際には、候補者情報の一括参照、面接時のフィードバック機能を拡充したことで、採用プロセスの迅速化を実現した。業務管理ツールとしてダッシュボード機能、メール要約、後任計画リストなどを改良し、人材育成、キャリア形成の優先度をつける時に役立てることができる。

 「ソーシャルを活用することで、求人、入社までのプロセス、キャリア開発、定着化というサイクルが実現する。実際のサービス利用時にも、マネージャーや経営層が今後の現象を予見し、人事部門は業務を戦略的な内容にシフトすることが可能となる。人事のバックオフィス業務が減り、人事部門が本来行うべき業務に集中できるようになる」(黒川氏)

 利用にあたっては、従来の人事制度中心の人事システムとは異なるノウハウが必要になるが、「そのための支援策としては、人事コンサルティングを行っているようなビジネスパートナーとともに、ユーザー企業がどんな点を困っているのか、そのためにはどのような人事システムを利用していけばよいのかといったところから支援を行い、導入に結びつけていく」(黒川氏)という形態で企業をバックアップする。

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