「われわれは文字通り、このビジネス全体をフリーミアムビジネスへと移行した。ユーザーがスマートフォンや小型タブレットでOfficeを使う場合、本質的にそれはフリーミアムモデルになる。『iPhone』や『Android』向けのアプリストアで、『Word』を自分のスマートフォンに無料でダウンロードできる。一部には有料のハイエンド機能もあるが、大部分が無料だ」(Capossela氏)
「デバイスが10.2インチ以上になると、ユーザーはサブスクリプション料金を払う必要がある。そうすることで、小型デバイスの高い価値も引き出せる。われわれにとってそれは本当に大きな変化だ」(同)
Microsoftは、無料プランを提供することでユーザー総数を増やすだけでなく、自社の製品を「うまく連携させる」という、長年の取り組みも継続している。期待しているのは、ユーザーに自社製品の1つを試してもらったら、ユーザーを引きつける仕掛けや、その製品とさまざまな他のMicrosoft製品との連携機能によって、さらに多くのものを求めてユーザーがMicrosoft製品を利用するようになるということだ。
「Surface Pro 3」用のペンが1つの例だ。ペンを「OneNote」と連携させることによって、Microsoftは、より多くのSurfaceユーザーが熱心なOneNoteユーザーになることを期待していると、Capossela氏は言う。Skypeと「Outlook」の連携も同様の例であり、Microsoftの個人用デジタルアシスタントの「Cortana」もやはりそうだ。
「ユーザーがCortanaを使うと、実質的には『Bing』ユーザーということになる」(同)
顧客をCortana経由でBingに導くことは、Googleと直接対決するよりはるかに簡単なことだと、Capossela氏は主張する。
このような連携や相乗効果によって、MicrosoftはAppleやGoogleがしていることをできるようになりたいと考えている。それは、その製品ライン全体にハロー効果を生み出すことだ。
「製品全てを売り込まなくてもよい。売り込むのは、原動力となる、いわば機関車にあたる製品だけだ。そうすると、誰かがその機関車にあたる製品を使うと、それが車掌車となる製品を引っ張っていく」(同)
Capossela氏はConvergenceカンファレンスの聴衆に、同社が今回のエコシステム横断の取り組みの一環として、個別の製品ラインのブランドよりも、Microsoftというブランドの方に力を入れるようになるのを期待してほしいと語った。
「『Windows』もOfficeも強力なブランドだが、Microsoftというブランドは実際のところ、われわれのブランドの中で最も強力だ」(同)
さらにCapossela氏は発言の中で、Microsoftは単に生産性を改革し、より多くのユーザーを同社のクラウドに取り込むことにばかり注力しているわけではないと述べた。同社は、コンピューティングをより「個人的な」ものにすることにも、一段と注力している。それは、最近のWindowsに関する発表やブログ記事など数多くのものに共通するテーマだ。
Capossela氏は同社の新しいビジネスモデルである「Windows 365」、つまり「Windows as a Service」については、当然ながら何も言及しなかった。Microsoftは最近、「Windows 365」を商標登録したものの(それはもしかすると、あるいは高い確率で、他社がその名前を使うことに対する防衛策かもしれない)、同社は現在、Windowsアップデートをサブスクリプションサービスとすることは考えていない。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。