クリックテック・ジャパンは4月16日、日本市場でのビジネス強化を図るための事業戦略説明会を開催した。2014年12月1日に日本法人の新社長に就任したJay Powell氏は、従来から提供している「QlikView」でカバーできなかったユーザー層を取り込むため、新たにセルフサービス型のデータ可視化ソフトウェア「Qlik Sense」を2月から提供。マルチプロダクト戦略を進めることを明らかにした。
2014年12月1日に日本法人の新社長に就任したJay Powell氏
今回、主力製品として追加したQlik Senseは、企業においてビジネスインテリジェンス(BI)やデータ分析を意識したことのないユーザーや、難しい操作はしたくないが必要なデータを素早く入手したいといった要望を持ったユーザー向けに、一から開発したもの。
QlikViewでは、パワーユーザーが分析アプリケーション、例えば、「商品Aの売り上げを、地域、購入者の性別、年齢」といった切り分けで理解するための機能をあらかじめ作成し、他のユーザーはそれを使い、「年齢」などの項目をクリックするだけで、必要な情報を示すグラフなどを参照できる。
しかし、「この機能だけでは満足しないユーザー層が必ず存在する」という。そこで、QlikViewで設定した機能に、地図情報など別の角度からのデータを加えたり、散布図として参照したりといった機能を、ユーザーが自分で追加してデータを可視化する機能をセルフサービス形式で提供しようというのが、Qlik Senseのコンセプトだ。
これにより、BIツールを使いこなす情報分析担当者だけでなく、営業部門やマーケティング部門、経営層などで、自らデータを使いこなして業務を遂行したい「情報消費者」を取り込むのが狙いとしている。
実施されたデモのシナリオ。営業担当者の視点から、扱っていない商品の販売可能性を探る
赤ワインと併売されている商品を浮かび上がらせ、新たな販売機会を可視化する
このほかクリックテック・ジャパンは、1月にAPIサービスを強化し、開発者向けコミュニティ「Qlik Branch」を開設。また、オープンデータとのAPI連携のためにDataMarketを2014年10月に買収した。これにより、小さな機能ごとに分かれるアプリケーションを組み合わせてつくるマッシュアップ形 式での構築をサポートすることで、Qlik Senseをさまざまな方法で拡張できるようになる。
今後、6月にはQlik Senseのメジャーアップグレードと、「Qlik Cloud」の提供を開始する。さらに、年内の予定で、QlikViewのメジャーアップグレード版を提供する計画だ。