英Canonicalは現地時間4月23日、「Ubuntu 15.04」をリリースした。デスクトップ用、サーバ用、スマートフォン用、クラウド用、IoT用の各エディションの新バージョンが提供されている。コードネームは「Vivid Vervet」(Vervetは南米のオナガザル科の猿ベルベットモンキーを指す)。
デスクトップ版では、クラウド開発やIoT開発向けの新たなツールが導入されたほか、統合メニューの導入やダッシュボードの使い勝手が改善された。
開発ツールである「Ubuntu Developer Tools Center」は「Ubuntu Make」に改称され、新たに14のプラットフォームへのサポートが追加された。これには、「Android NDK」および「Android Studio」の最新リリース、各種統合開発環境(「IDEA」「PyCharm」「WebStorm」「RubyMine」「PHPStorm」「Eclipse」など)、「Firefox Developer Edition」、ゲーム開発環境の「Stencyl」などが含まれる。
オフィス統合環境としては、「LibreOffice 4.4」が採用されている。
サーバ向けのアップデートとして、コンテナのハイパーバイザ「LXD」が追加された。Canonicalが長く取り組みを主導してきた「LXC」をベースとしており、ライブマイグレーションが可能になるほか、セキュリティプロファイリングが改善される。
さらに今回のリリースには「OpenStack」の最新版である「Kilo」が含まれている。KiloではDynamic Virtual Routing(DVR)のサポートによりNeutronのネットワーキングが強化されている。これにより、より大規模なOpenStackクラウドの拡張性を制限しかねないシングルノードインストールというボトルネックが解消されるという。
また、Ubuntu 15.04の一部として、軽量で最も安全なエディションだという「Snappy Ubuntu Core」の安定版もリリースされた。このエディションは、クラウドコンテナのホストや、モノのインターネット(IoT)向けに用意されたもので、ドローン、ロボット、ネットワーク機器、IoTホームハブなどで使用されている。このリリースでは、Intelの64ビットアーキテクチャのほか、ARM HFをサポートしている。
初めてのUbuntu搭載スマートフォンである「BQ Aquaris E4.5」にも、15.04のアップデートが無線接続を介して配信される。また、今後発売予定の「Meizu MX4」にも15.04ベースの「Ubuntu Touch」が搭載される予定だ。
Ubuntu 15.04はwww.ubuntu.com/downloadからダウンロードできる。
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。