TOTOは、これまで事業部ごとに導入、運用してきたCAE(Computer Aided Engineering)関連のインフラをデータセンターに集約し、全社共通の商品開発を支えるCAE基盤を構築した。2014年12月に本番稼働を開始した。サーバ環境を提供したレノボ・ジャパンが5月13日に発表した。

TOTOにおけるLenovo System x iDataPlexのシステム相関図
新たなCAE基盤には、レノボのデータセンター向けx86サーバ「Lenovo System x iDataPlex」を採用。仮想デスクトップ環境やデータ解析を支えるサーバ群としても、数多くのLenovo System x iDataPlexが導入された。
レノボのサーバ製品を採用した理由として、高密度な設計によってラックスペースを削減できる点、用途の異なるサーバを同一モデルに統一して運用負荷を低減できること、VDIや解析技術に精通した人員によるサポートがあることを挙げている。
新基盤は西日本のデータセンターに設置しており、仮想化ソフトウェアとしてCitrix XenServerとCitrix XenDesktop、GPUソリューションとしてNVIDIA GRIDを組み合わせて構築している。
その結果、前処理と後処理のための端末を、従来利用していたスタンドアローンのCAEワークステーションから、リモートグラフィックス技術を取り入れた仮想デスクトップ環境(VDI)に移行させた。また、複雑な計算処理を担う解析サーバを統合し、解析性能をすべての事業部が共有できるようにしている。
九州地区と関東地区の開発拠点からは、既存のCAE用ワークステーションやオフィスワーク向けのPCを流用し、Citrix Receiverを介してCAEの利用環境にアクセスしている。
開発者はCAE基盤を開発初期段階の設計最適化に利用することで、開発効率化、設計品質の向上に活用している。これにより、開発工程におけるフロントローディングにおいて、すべての開発者が高性能な解析サーバを活用できる体制を確立できたとのこと。
新基盤によるビジネス上のメリットとして、以下を挙げている。
- 端末の種類や場所を選ぶことなく解析業務が可能なCAE環境を実現
- すべての開発者が分け隔てなく高度な解析に携われる体制を確立
- 計算能力の向上によって解析モデルの大規模化にも対応可能
- 情報システム部門の一元管理によって解析技術部門での運用管理が不要に
- センター側へのデータ集約によって強固なデータ保護と災害対策を実現