Gartnerのおかげで、一部の「Windows 10」ユーザーにはMicrosoftの「Edge」(開発コード:Spartan)ブラウザが提供されないことが分かった。Long Term Servicing Branch(LTSB)を利用するEnterpriseエディションの顧客には、Windows 10の標準ブラウザであるはずのEdgeが提供されないというのである。Microsoftの広報担当も、この報道が事実だと認めている。
LTSBはWindows 10 Enterpriseの顧客が利用できるオプションで、セキュリティ関連のアップデートやホットフィックスは提供されるが、新機能の追加はない。新機能や機能アップデートによるリスクを回避したいミッションクリティカルなシステムなどを対象としている。
LTSBを利用する顧客にEdgeを提供しないのは、定期的に新機能をロールアウトするためだと、Microsoftの広報担当もGartnerも述べている。アップデートを受け取らないマシンに、進化し続けるEdgeを含めるのは良くないという判断だ。
今秋から提供される予定のEnterpriseディションについてはMicrosoftの幹部からもあまり情報が得られない分、他にも利用できないWindows 10の機能があるのかと勘ぐってしまうが、GartnerのアナリストMichael Silver氏はLTSBユーザーに提供されない他の機能については情報がないと述べている。また、同氏は、モダンアプリについては警戒すべきと指摘する。
「LTSBのスタート時点ではWindowsデバイス用のすべてのユニバーサルアプリが動くだろう。しかし、他のブランチでWindowsのモダン化が進んでも、LTSBリリースには反映されない(中略)そのため、どこかの時点で、(Windows)Storeで手に入れたWindowsデバイス用のユニバーサルアプリが旧来の環境のままのLTSBで動かなくなる可能性がある。それまで稼働していたアプリであっても、Windowsアップデートの影響で機能が刷新され、影響を受けるかもしれない」(Silver氏)
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。