2014年の夏、筆者はテクノロジ業界における3大企業が時を経てどのように進化してきたのかを調べてみた。その3つの企業とはAppleとGoogle、Microsoftだ。
Appleは、その時以来「iPhone」のサイズを除けば、あまり変化を見せていない(iPhoneの画面の大型化は株価に呼応しているかのようだ)。また、Googleも広告に依存する戦略をここ1年変えていない。
しかし、企業としてのMicrosoftは劇的な変貌を遂げ、さまざまな成果を出しつつある。それら成果のすべてはSteve Ballmer氏の「デバイスとサービス」というビジョンに端を発している、そしてそのビジョンは、ここ2年間で「モバイルファースト、クラウドファースト」というものに徐々にかたちを変えてきている。
こういったスローガンはともかく、同社の意図は従来のソフトウェアライセンスモデルから、あらゆるデバイスをサポートするクラウドベースのサービスモデルに向けた進路変更にある。
歴史的に見た場合、Microsoftのビジネスモデルはソフトウェアライセンスの販売に軸足が置かれていた。実際、2004会計年度における同社の売上高のおよそ82%が「Windows」と「Windows Server」「Microsoft Office」のライセンス収入によるものだった。
それから10年後、従来のソフトウェアライセンスへの依存度は2014会計年度の決算でも70%強という高い数値を示しているとはいえ、クラウドサービスとハードウェアに対する同社の大きな投資の成果も徐々に数字に表れ始めている。
ここでより重要なのは、Windowsのデスクトップライセンスの売り上げがその平均価格の下落とともに急速に減少してきてはいるものの、同社のプラットフォーム戦略を支える屋台骨であり続けているという点だ。
Satya Nadella氏が最高経営責任者(CEO)に就任し、6月末で1周年を迎えるMicrosoftはその数週間後、2015会計年度の決算を発表する。現在の勢いが続けば、同社は売り上げの大幅な増加を報告し、従来のライセンス収入が総売上高に占める割合は60%を切ることになるはずだ。