以下は、同社が発表した2014会計年度(6月30日締め)の売上高に基づいて、1年前の業績をグラフ化したものだ。
Microsoftの2014会計年度Form 10-Kより作成
このグラフからいくつかの興味深い事実が読み取れる。それでは左から右へと順に読み解いてみよう。
- 法人向けライセンス(Commercial licensing):大企業に対する売り上げがMicrosoftの業績の柱となっており、法人向けライセンスの売り上げが、その他すべてのカテゴリの売り上げに比べて非常に大きな比重を占めている。そのほとんどはMicrosoft Office(オレンジ色)と、Windows Serverや「Microsoft SQL Server」といったサーバ製品(緑色)だ。また、デスクトップ版のWindowsのボリュームライセンス(青色)も一定の割合を占めている。
- OEM向けライセンス(OEM licensing):OEM企業は2014年、PCにWindowsをプリインストールするために135億ドルを支払った。また、このカテゴリは「Android」デバイスメーカーからの巨額のライセンス収入(黄色)も含んでいる。
- クラウド等(Cloud etc.):ここではクラウド関連の売り上げとして、法人向けのその他(水色)とコンシューマー向けのその他(薄緑色)に大別している。前者の大半は法人向け「Office 365」や「Microsoft Azure」の売り上げだ。後者は「Office 365 Personal」と「Office 365 Home」のサブスクリプションのほか、「Windows Store」や「Xbox Live」、オンライン広告のトランザクションを含んでいる。
- ハードウェア(Hardware):ハードウェアとして、Microsoftのキーボード製品やマウス製品のすべてを含めているものの、現在のところ売り上げに最も貢献しているのはMicrosoftの携帯電話と「Xbox」製品、「Surface」製品だ。
- 小売り/非OEM向けライセンス(Retail/non-OEM licensing):このカテゴリには、小さな青色の領域があることに気付くはずだ。これがWindowsの小売り販売(製品版とアップグレード版を含む)の売り上げだ。つまり、ごくわずかでしかない。これを見れば、Microsoftがコンシューマーや中小企業に対して「Windows 10」の無償アップグレードを提供しようとしているのも納得できるだろう。