レッドハットは6月30日、コンテナ配備基盤「Red Hat Atomic Enterprise Platform」とモバイル向け基盤「Red Hat Mobile Application Platform」を発表した。
Atomic Enterprise Platformは、複数のコンテナで構成されるアプリケーションとサービスを実行、オーケストレーションできるように設計。Linuxコンテナ形式の1つである「Docker」やコンテナの管理ツール「Kubernetes」を含み、PaaSソフトウェア「Red Hat OpenShift Enterprise 3」と同じコア技術で構成されている。ハイブリッドクラウドの基本構造全域でコンテナベースアプリケーションの可搬性を完全なものにするという。
Atomic Enterprise Platformは、企業向けLinuxディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux 7」をベースにしており、コンテナベースのアプリケーションを大規模に配置できると説明。Dockerコンテナの作成と配備が容易になるとともに、Kubernetesからノード全体を自動で制御でき、複数のコンテナで構成されるアプリケーションを提供できるとしている。
ソフトウェア定義ネットワーク(SDN)やストレージを制御するためのプラグインも提供される。Atomic Enterprise Platformを含むOpenShift Enterprise 3を活用すれば、開発者とアプリケーションの完全なライフサイクル管理機能に容易に移行できるという。
Mobile Application Platformは、2014年10月に買収したFeedHenryの技術をJBoss MiddlewareやOpenShift PaaSポートフォリオといった製品と組み合わせ、新しいモバイルサービスを加えたというプラットフォームになる。
モバイル中心のワークロードを既存のITインフラに統合させ、複雑さを解消してモバイル開発と開発サイクルの機動性を高められる技術群を提供できるとしている。フロントエンドのアプリケーション開発者、バックエンドのIT統合、DevOpsといったチーム間で協力できるようになることでモバイルの開発、統合、配備、管理の簡易化、高速化をサポートするとしている。
Mobile Application Platformと同時に、開発者向けにパブリッククラウドでアプリケーション開発とホスト環境である「OpenShift Online」を提供することも発表された。2016年には、OpenShift Enterpriseを経由してMobile Application Platformの実稼動環境をフルサポートすることが予定されている。