ジャパンネット銀行、情報系システム刷新--検索時間を300分の1に短縮

NO BUDGET

2015-07-17 15:01

 ジャパンネット銀行は、情報系システムのプラットフォーム刷新プロジェクトを開始した。新システムは2016年4月に本格運用開始を予定。従来の情報系システムに比べ、最大300分の1まで検索時間を短縮できるという。富士通が7月16日に発表した。

 ジャパンネット銀行の情報系システムは、マーケティング用の顧客情報データベース(Marketing Customer Information File:MCIF)とデータウェアハウス(DWH)で構成され、勘定系システムと連携し、顧客との取引情報を管理している。

 同システムは毎日、個々の顧客に最適なサービスを見つけ出すマーケティング分析や取引量や収益などの経営情報の集計、不正や疑わしい取引の抽出といったモニタリングなどで活用されている。同システムの性能は、ジャパンネット銀行の顧客向けサービスの向上や経営に大きな影響を及ぼすものと位置付けている。

 近年では顧客数の増加のためデータ量が増加しており、情報系システムのレスポンスの向上が望まれていた。ジャパンネット銀行では、顧客の要望への的確でスピーディーな対応の向上を目的として、今後の取引情報の増加や複雑な分析手法の導入に必要となる高い処理性能を確保するため、情報系システムのプラットフォーム更改を決定した。

 新たに構築されるシステムには、富士通のUNIXサーバ「SPARC M10」とディスクストレージ「FUJITSU Storage ETERNUS DX200 S3」、「Oracle Database 12c」とオプション製品「Oracle Database In-Memory」が採用される。

 SPARC M10のプロセッサ「SPARC64 X+」には、10進演算や暗号処理、コピーなど従来ソフトウェア上で行われていた処理の一部をプロセッサで実行する「Software On Chip(SOC)」が実装されている。DB In-Memoryは、データを通常のロー(行)型に加えて同時にカラム(列)型でもメモリ上に保持することで処理を高速化するインメモリデータベース機能の役割を担う。

 DB In-MemoryにSPARC M10のSOCに対応した機能を実装することで高速処理を実現しており、富士通がジャパンネット銀行のデータで既存システムのSQLを実行した結果、検索時間を最大300分の1に短縮できるという。

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