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富士通「SPARC M10」は「どんと来い!マシン」(後編)

三浦優子

2013-03-05 12:00


なぜ富士通は「SPARC M10」を開発できたのか?

 高速リアルタイム処理、柔軟な運用・拡張性、システムの安定稼働を実現するなどの特長を持つ富士通の新UNIXサーバ「SPARC M10」。

 製品が開発された背景を探ると、メインフレームの開発と運用の経験、そして世界でトップ性能となったスーパーコンピュータ「京」(※)の開発、さらには旧Sun MicrosystemsやOracleとの長年にわたる協力関係など、富士通が培ってきたコンピュータ開発技術や経験、実績があったからこそ誕生した製品であることが明らかとなった。

 後編となる本稿では、製品開発の裏側をご紹介する。

世界一のスパコン「京」の開発で培ったノウハウが生きる

志賀真之氏
志賀真之氏

 「SPARC M10の大きな強みは、富士通がスーパーコンピュータ『京』で培ってきたノウハウを、ビジネス分野でも利用できるようにした点にあります」と、富士通 プラットフォーム技術本部 プロダクトソリューション技術統括部 部長の志賀真之氏は説明する。

 SPARC M10は、富士通が新たに開発したプロセッサ「SPARC64 X」を搭載している。前編で詳しく解説したとおり、SPARC64 Xには「ソフトウェア・オン・チップ」や「システム・オン・チップ」という2つの特徴がある。

 従来の業務処理は、ストレージからメモリを介してCPUにデータが届き、結果はメモリを介してストレージに記録するという一連の流れを繰り返していた。しかし、SPARC M10は大量の並列処理が可能な新技術を搭載したことで、大量のメモリと大量のコアで処理し、メモリを介して次々と処理をして最終結果をストレージに返すような処理を実現した。

 「スパコンの世界とは違い、ビジネスアプリケーションの世界では、この規模の大量のメモリ、CPUを並列処理で動かすようなニーズはありませんでした。しかし、最近はインメモリソフトウェアも増えてきていますし、ビジネスでビックデータを活用する必要性が出てきた。ハードウェア側の対応として、これまでスパコンで培ってきた高速なメモリやインターコネクトをビジネスの世界に持ち込んで、ビックデータに対応できるようにしたのが、SPARC M10という製品なのです」(志賀氏)

 スパコンの世界では、研究者に実現したい処理があり、それをハードウェア開発チームとソフトウェア開発チームがどう実現するのか、お互いに切磋琢磨しながら開発が進んでいく。

伊藤達夫氏
伊藤達夫氏

 富士通 エンタプライズサーバ事業本部 事業企画統括部 商品計画部 部長の伊藤達夫氏は、「今回、SPARC M10に関しては1台のマシンの中で、多重イベント処理を実施することになります。それを実現するために富士通だけでなく、Oracleも含めて切磋琢磨して作り上げたのがSPARC M10です」と話す。

 コンピュータの世界は米国が先導して日本は後塵を拝している感があるが、「SPARC M10に関しては日本が主体となって開発を進めています。日本発の新技術が取り入れられているのです」と伊藤氏。日本の技術が新しいコンピューティングを実現していると強調する。

※「京(けい)」

「京」は理化学研究所の登録商標です。「京」は日本のスーパーコンピュータの中核システムとして、理化学研究所と富士通が共同開発した、世界最高レベルの性能を有するスーパーコンピュータ。

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