Appleが米国時間9月9日にサンフランシスコで開催するイベントの中心は「iPhone 6s」になるはずだ。しかし、製品の多様化という観点から見れば、「iPad Pro」という名前でうわさされている、大型ディスプレイを搭載した企業向けタブレットの方が重要かもしれない。
ここでの焦点は、タブレットと同様に小回りがきき、ノートPCの代替となり得る製品としてのiPad Proが企業に受け入れられるかどうかだ。
2-in-1型の機器が力強く成長しているのは、タブレットがジャンルの隙間を埋めるためだけの製品として捉えられているという理由もある。タブレットの採用によって、企業は新たな購入サイクルを管理する必要が出てくる。企業はPCとタブレットを1つの買い替えサイクルで扱いたくはないのだ。
この現実こそ、Microsoftの「Surface Pro」が企業の共感を得ている理由だ。2-in-1型のコンバーチブル製品は、コンテンツの制作や仕事に用いるとともに、エンターテインメントやデータ閲覧といった用途でタブレットを使用するユーザーを魅了できるレベルにようやく到達したのだ。
しかし、iPad Proが企業から爆発的な共感を得られるかどうかは分からない。大型の「iPad」には確かに一定のニーズがあるだろうが、企業での採用が保証されているわけではない。
Appleの「iOS」はモビリティという点では素晴らしく、現在ではマルチタスクも可能になっているが、仕事での利用や、コンテンツの制作という点で完璧なデバイスとは言えない。クラウドや、Microsoftの「Office」アプリによってiOSの魅力が高まっているとはいえ、そうした作業には「OS X」の方が適しているだろう。
Microsoftは「Windows 10」で、画面サイズの異なるさまざまな機器を統合しようとしているため、企業の懸念は軽減されるはずだ。AppleもOS XとiOSの統合に向けて進んでいるが、これら2つのプラットフォームは完全に統合されているわけではない。
iOSにOS Xの機能を統合してほしいという意見や、OS Xを搭載したまったく新たなタブレットを開発してほしいという意見があるが、これらはいずれも重要な点に触れている。それは企業の視点から見た場合、iPad Proが「MacBook」ほど有用な製品とはならないだろうというものだ。要は、iPad ProがMacBookと競合できないかもしれないということだ。
軽量のMacBookに目を向ければ、12インチディスプレイ搭載版はスタイリッシュであるうえ、軽くて実用的だ。筆者自身は、いまだにiPad Proを真面目に検討するとは言い切れないでいる。アナリストの間では、iPad ProがMacBookの売り上げを侵食するという見方がある。しかし筆者はそうならないと見ている。モビリティという観点で見た場合、MacBookはiPad Proほど軽量ではないかもしれないが、間違いなくより多くの機能を備えた製品となりそうなためだ。
タブレットは組織でどのように使用されているか。
提供:Tech Pro Research
この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。