海外コメンタリー

モバイルアプリとWatsonで認知症の早期発見を--IBM研究所の取り組み - (page 2)

Erin Carson (TechRepublic) 翻訳校正: 村上雅章 野崎裕子

2015-09-19 07:30

 Watsonは実際の記録内容を分析するのではなく、声のトーンや言葉の途切れ、ためらい方、話し方の流ちょうさを分析する。Satt氏によるとその主な理由は、言語に依存しないテクノロジを求めているためだという。このテクノロジを生み出すうえで、これが実際の難問の1つだった。

 Satt氏は、「人間が判定する場合、臨床医の注意は語った内容に向くのが普通だが、われわれはその情報が不要であることをアルゴリズムで証明した」と述べている。

 Satt氏によると、このアルゴリズムは85%の精度でユーザーを3つのグループに分類したという。

 これは確定診断を下すためのツールではなく、臨床医の支援を目的としている。

 Satt氏は「このツールが認知症の可能性を指摘したとしても、悲しむ必要はない。次にしっかりとした診断を受ける必要がある。しかし、これがリスク評価として機能するのだ」と語っている。

 また同氏によると、チームは現在、医師や臨床医に連絡する情報のうち、どれだけの情報を選別してユーザーに伝えるべきか、選別の要否自体を含めて検討中だという。

 このテクノロジは今のところ、リサーチに参加している臨床医しか利用できない。医師らは欧州で研究しているものの、その範囲を米国に拡大したいと望んでいる。つまり、すぐに利用できる製品とはなっていない。

 同氏は「リサーチと製品化の間には、規制や倫理委員会といった面で、乗り越えなければならない大きな障害が存在している」と述べている。

この記事は海外CBS Interactive発の記事を朝日インタラクティブが日本向けに編集したものです。

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