アナリティクス機能の強化を狙う、OracleのBlueKai買収とZendeskのBIME買収
2014年のOracleによるマーケティングアナリティクス会社BlueKaiの買収は、データとアナリティクスに関する専門性を向上させただけでなく、同社のアプリケーション事業に対する巧妙な補完としても機能した。また、その双方がクラウドに移行する際にも(その取り組みは緩慢だったものの)、BlueKaiは非常にうまく対応した。
自社のテクノロジを異なる分野で収益化しようとする企業は、自社の独自技術を強化できる買収を行う場合がある。ZendeskによるBIME Analytics買収は、BIMEの製品がZendeskを含むクラウドベースのさまざまなデータソースに接続できることを特徴としていることを考えれば、これが目的であることは明らかだろう。
FICOがKarmasphereを、Advance/Newhouseは1010dataを取得
FICOは同名の信用スコアを提供しているソフトウェア企業だが、Hadoopアナリティクス専業会社であるKarmasphereを2014年に買収したことにより、同社の事業にビッグデータアナリティクスが加わった。同社の提供している主なサービスが信用スコアの付与であり、一般的に言って財務リスク管理は統計的分析によって行われることを考えれば、これは賢明な取り組みだろう。
一方、Advance/Newhouse(Conde Nastの出版事業、Brighthouse Networks、その他多くのメディアを所有するメディア会社)はインメモリデータベース企業である1010dataを2015年8月に買収したが、その理由は多くの業界ウォッチャーにとって謎だったようだ。しかし、メディアは広告で動いており(特にオンライン市場ではその傾向が強い)、出版業界はかなり以前からその方向に向かっている。Advance/Newhouseは、独自のリアルタイム入札システムでほかのプラットフォームを圧倒しようという野心を持っている可能性もある。あるいは、1010dataのテクノロジを、同社が持つウェブ、テレビの視聴者、および雑誌や新聞の読者に関するデータと組み合わせることで、競争上の優位を得られると考えたのかも知れない。
オープンソース企業の買収--日立データシステムズのPentaho買収とTIBCOのJaspersoft買収
日立データシステムズがBIベンダーであるPentahoの買収計画を2月に発表した際、同社はPentahoの製品ラインを今後も提供すると明言した。IBMのCognos買収と同じように、日立データシステムズはPentahoのテクノロジと人材を非常に強力な資産であると考えているのかも知れない。社内の従業員による製品チームを持つことは、信頼性を高め、コストを下げるのに役立つことが多い。また、カスタマイズを行える力があれば、パイプラインを育て、販売サイクルを短縮化できる可能性がある。
Pentahoの最初の市場参入のきっかけは、同社のプラットフォームを支えるオープンソースの基盤だった。同様の理由で買収された別のBI企業の例が、2014年にTIBCO Softwareが買収したJaspersoftだ。TIBCO Softwareは2013年に複合イベント処理を専門とするStreamBaseを、2007年にデータ発見技術を手掛けるSpotfireをすでに買収しており、同社の事業は純粋なミドルウェアおよびメッセージングから、リアルタイムトランザクション情報に対するアナリティクスを包含するまでに成長している。