レッドハット、デル、インテル、ブロケードは10月20日、オープンソースソフトウェアのIaaS環境構築管理ソフト「OpenStack」を使用した、通信事業者やサービス事業者向けのクラウド型のネットワーク機能仮想化(Network Functions Virtualization:NFV)システム商用化に向けた共同検証を実施したと発表した。
今回の検証では、1台のサーバに40インスタンスの仮想ルータ(virtualized Customer Premises Equipment:vCPE)を集約し、40Gbpsインターフェース最繁時の各インスタンスの通信性能を1Gbps均等に維持して、計40Gbpsの通信性能を達成したという。この結果から“クラウド型vCPE”を利用したNFVシステムとしては、業界に先駆けて高い水準の通信性能が実証されたと説明。サービス事業者での商用化に向けて大きな弾みとなったとしている。
多くの企業では、各拠点に顧客構内設備(Customer Premises Equipment:CPE)と呼ばれるさまざまネットワーク機器を設置して、通信事業者やサービス事業者のネットワーク経由でWANを構成する必要がある。このため企業はCPEの管理やコストの面で大きな負担を強いられているという。
こうした状況を改善するため、レッドハット、デル、インテル、ブロケードの4社は、デルが設立したオープン標準を利用した柔軟なクラウド環境を推進するコンソーシアム「Open Standard Cloud Association (OSCA)」を通じて検証した。
共同実証実験は、ブロケード社内に設置されている「NEW IPラボ」で7月に実施。デルのx86サーバ「Dell PowerEdge R630」1台にOpenStackディストリビューション「Red Hat Enterprise Linux Open Stack Platform 7」、ブロケードの仮想ルータ「Brocade 5600 vRouter」、インテルのデータプレーン開発キット(DPDK)などの製品技術を組み込んだ環境で実施されている。