ユーザーがウェブブラウザを使用する際に最も重視するのは、ページのロード時間を置いて他にないだろう。
ある調査によると、ウェブユーザーの半数近くはウェブサイトの読み込み時間として2秒以内を求めているという。そしてGoogleの「Chrome」ブラウザが成功したのは、そのページ読み込み速度があったゆえと言ってよいだろう。
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Microsoftは「Windows 10」のテクニカルプレビューで3月に新ブラウザ「Microsoft Edge」を公開して以来、ページ読み込みの高速化に力を注いできている。
同社の取り組みの成果は、われわれが5月に実施したブラウザのパフォーマンステストで既に現れていた。このテストで、EdgeはChromeに肉薄する結果を残した。
その後の数カ月間におけるテスト版Edgeの改良により、同ブラウザは速度面でChromeを超えたのだろうか?米TechRepublictはWindows 10の最新テストビルド「Build 10565」に搭載されているEdgeと他のブラウザのパフォーマンスを比較するためのテストを実施した。
テスト結果を見る限り、興味深いことにEdgeはかなり高速化されており、Chromeと首位をめぐってしのぎを削り、いくつかのベンチマークではEdgeが、そして他のベンチマークではChromeが首位となった。
最初のベンチマーク群は、ウェブの世界で一般的に使用されているスクリプト言語JavaScriptの処理に焦点を当てたものとなっている。JavaScriptは今日のウェブにおいて中核をなしており、それを多用したページでは大量のスクリプトがロードされ、それらがさらに多くのJavaScriptコードをフェッチするようになっている。このため、ブラウザによるJavaScriptの処理が遅ければ、ブラウザそのものも鈍重になってしまう。JavaScriptの処理速度はそれくらい重要なのだ。
以下では、「JetStream」と「Kraken」「Octane」というベンチマークを用いて、3種類のブラウザにおけるJavaScriptのパフォーマンスを評価している。ここで重要なのは、これらのベンチマークはMicrosoftではなく、同社のライバルが開発したものだという点だ。すなわちJetStreamはAppleによって、Krakenは「Firefox」の開発元であるMozillaによって、OctaneはGoogleによって開発されている。
JetStream 1.1によるベンチマーク結果(値は高い方が良い)
Kraken 1.1によるベンチマーク結果(値は低い方が良い、単位はミリ秒)
Octane 2.0によるベンチマーク結果(値は高い方が良い)
興味深いことに、EdgeはJetStreamでChromeに勝ったが、KrakenとOctaneでは後れを取っている。この結果から判断すると、両ブラウザはJavaScriptの処理という点でそれぞれ違った長所を持ち合わせているようだ。